訓読 >>> 967倭道(やまとぢ)の吉備(きび)の児島(こじま)を過ぎて行かば筑紫(つくし)の児島(こじま)思ほえむかも968大夫(ますらを)と思へる吾(われ)や水茎(みづくき)の水城(みづき)のうへに涕(なみだ)拭(のご)はむ 要旨 >>> 〈967〉大和路の吉備の児島を過ぎる時には、きっと筑紫の児島を思い出すことだろう。 〈968〉立派な男子だと思っているこの私が、お前との別れに、水城の上で涙を拭うとは・・・。 鑑賞 >>> 大伴旅人が、大宰府から大和へ旅立つ日、大勢の見送りの役人たちに交ざって、美しい遊行女婦、児島の姿がありました。居並ぶ役人の面前で、彼女は2首の送別歌を詠みました(9…