作家。本名、野尻清彦。
1897年(明治30年)10月9日、神奈川横浜市生まれ。1973年(昭和48年)4月30日、死去。
兄、野尻抱影は英文学者。
府立一中(現・日比谷高校)などを経て東京帝国大学卒業後、鎌倉高等女学校での教師生活を経て、外務省嘱託となるがやがて退職。大衆文学、現代小説、文明批評と幅広く活躍。
代表作は『鞍馬天狗』『赤穂浪士』『ドレフュス事件』『パリ燃ゆ』『天皇の世紀』(絶筆)など。一般には時代小説の作家として知られているが、フランス語に堪能であり、19世紀末のフランスの政治思想を描いたノンフィクションを執筆している。この分野ではパリ・コミューンを題材にした『パリ燃ゆ』が名高い。
また大の猫好きであり、「大佛次郎記念館」には彼とゆかりのあった猫の絵、玩具などが展示されている。