国木田独歩の逍遥した”豊後の国佐伯”にも小さな詩人達がいた。豊かな感性を持って生まれ来た子供達は誰もが詩心を持っている。周囲にある大自然は四季を通じていつもそれを活性させてくれた(今もそうであろう)。 見事なまでにこれを教育の場で実践した教師と子供達が長野県諏訪郡旧本郷村にいた。もう1937年(昭和12年)のおよそ90年も前のことである。それでもその詩を通じて子供達(尋常小学校3年生)の瑞々しい感性が今でも心に響いてくる。誰しもが小さな詩人であったかつての懐かしい日々を呼び覚ましてくれる。 その子供達の文集(「山里の四季をうたう」より、井出孫六・石埜正一郎 編)の中からほんの一部だが、故郷の未…