あの日8時間にもおよぶ、彼の「カノジョ」との静かな対峙。何をどう振り絞っても勝てる気がしなかった。年齢も、余裕も、話し方すらも。何もかもが彼女のほうが“大人”で、私は子ども。 そして、彼は戻ってこなかった。どれだけ心のなかで呼んでも、待っても、祈っても。「もう会えない」という現実が、じわりと迫ってきた時だった。 それまで張りつめていた感情怒り、混乱、未練。そのどれでもなく、ぽたり、ぽたりと涙がこぼれ始めた。 まるで、壊れた蛇口みたいに。止まらない。1日中泣いた、あの受験の不合格の時以上に、泣いた。1日経っても、2日経っても。1週間経っても。そこからずっと…。 魂が抜けたような私がいた。 会社に…