平成27年みやこめっせの古本まつりで軍艦郵便の葉書が挟まった矢野峰人『近代英文学史』(第一書房、大正15年6月)を購入した。彙文堂の出品で1,000円ぐらいだったと思う。発信者は上海に寄港した岸本健雄で、消印は1926(大正15)年7月12日、MOJI(門司)局である。文面は同月9日付けで、上海に無事入港したこと、世界の自由市たる上海には東京も大阪も神戸も及ばないこと、香港へ向かって出港することなどが書かれている。 岸本健雄は、大正15年3月31日付け『官報』で海軍機関少尉候補生の発令を受け、出雲への乗組を命じられたことが分かる。横山裕三『日本の軍艦郵便』(仙台優趣会・東北郵趣連盟、平成23年…