1982年の夏。 あれはまだ青函連絡船が北海道と本州をつないでいた頃のことだ。 まだ国鉄が全国の鉄道を管理しており、地域ごとに周遊券という切符が発行されていた。 20歳の私は仲間と北海道の周遊券を購入し、これで2週間、普通電車なら道内を乗り放題の権利を得たのである。 さすがに東京から青森までは特急に乗った。 当然新幹線はまだない。 そして夜中に青函連絡船に乗って目が覚めたら函館港に到着。生まれて初めて北海道の地を踏んだ。 そこからは強行軍だった。 積丹に行き、襟裳岬に行き、稚内で樺太の島影を見て、旭川近くの旭岳に行き、姿見の池を見た。釧路湿原に行き、礼文島に行き、札幌でジンギスカンを食べてビー…