(2024/12/29) 『狐の日本史』 古代・中世びとの祈りと呪術 中村偵里 戎光祥出版 2017/6/1 <古代人は狐をどう見たか> <六国史に記された狐> ・六国史の記事から判断すると、日本中央の支配階級は、7世紀半ばから8世紀の中期ごろまで、白狐・黒狐を瑞獣(ずいじゅう)として珍重する傾向があったが、それはこの一時期の現象にすぎず、しだいにその傾向は衰え、9世紀には消えてしまった。 <古代地方民の狐イメージ> ・地方または衆庶の間では、狐はどのように見られていたのだろうか。『風土記』(8世紀前半成立)においても、『出雲国風土記』が他の動物とともに、その生息を記すにすぎない。 <稲の豊作…