作家・翻訳家 1971年埼玉県生まれ。京都大学在学中は推理小説研究会に所属。 2002年e-NOVELSに犯人当てミステリ『彼女がペイシェンスを殺すはずがない』を発表し話題に。 2004年10月『アルファベット・パズラーズ』で本格的にデビュー。投票期日ギリギリの刊行ながら『2005本格ミステリ・ベスト10』で8位にランクインする快挙を見せる。 翻訳作品にニコラス・ブレイク『死の殻』エドマンド・クリスピン『永久の別れのために』がある。
にわか名探偵 ワトソン力作者:大山 誠一郎光文社Amazon 1作目の感想にも書いた、このシリーズの基本的構造上の弱点、 「多重解決を成立させるために事件自体はシンプルなものになりやすいため、 この作者ならではの”構図の凄さ”の強みが発揮し辛い」 ってのが、より強く感じられるようになってしまったかなぁ。 これだけの凄いことをやってるのに、書き味のライト風味もあいまって、 下手すりゃゆるめのミステリだとすら、誤解しちゃう読者も出てきそうな雰囲気。 全体を強引にまとめるような最終話が、妙ちくりんな組織なんかも出してしまって、 さすがに無理矢理過ぎてやり過ぎちゃって、もうギャグとしか思えなかったりす…
~"密室蒐集家"の存在が最大のミステリ~ 大山誠一郎『密室蒐集家』文藝春秋 密室蒐集家 posted with ヨメレバ 大山 誠一郎 文藝春秋 2015年11月10日頃 楽天ブックスで探す Amazonで探す hontoで探す 収録作品とあらすじ 主要登場人物 特徴 この小説に向いている人 この小説に向いていない人 まとめ 追記①この小説が好きな方にオススメ アリバイ崩し承ります 密室キングダム 密室黄金時代の殺人 収録作品とあらすじ 1.「柳の園」(1937年)夜中の学校に忍び込んだ生徒が、音楽室で誰か襲われる場面を目撃する。しかし、密室となっていた音楽室には被害者以外の姿はなく…… ※追…
~時計屋万能説~大山誠一郎『アリバイ崩し承ります』実業之日本社 アリバイ崩し承ります posted with ヨメレバ 大山 誠一郎 実業之日本社 2019年11月25日頃 楽天ブックスで探す Amazonで探す hontoで探す ebookjapanで探す あらすじと収録作品 主要登場人物 特徴 この小説に向いている人 この小説に向いていない人 まとめ コミカライズ 追記①この小説が好きな方にオススメ 時計屋探偵の冒険 密室蒐集家 マジックミラー 黒いトランク あらすじと収録作品 【あらすじ】 美谷時計店には「時計修理承ります」とともに「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。難事件に頭を…
~豪華執筆陣と豪華俳優陣の本格ミステリ~ TRICK×LOGIC Season1 TRICK×LOGIC Season1 - PSP ソニー・インタラクティブエンタテインメント Amazon TRICK×LOGIC Season2 TRICK×LOGIC Season2 - PSP ソニー・インタラクティブエンタテインメント Amazon ※PSPのソフトです。 収録作品 Season1 Season2 特徴 この作品に向いている人 この作品に向いていない人 まとめ 追記①この作品が好きな方にオススメ 気分は名探偵 収録作品 Season1 1.我孫子武丸「盗まれたフィギュア」2.竹本健治「明…
アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫) 作者:大山 誠一郎 実業之日本社 Amazon 時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2 作者:大山 誠一郎 実業之日本社 Amazon 内容 ひたすら容疑者のアリバイを崩す短編集 感想 極論すると、推理小説に人間ドラマとかストーリーとかキャラとか小説としての面白さって謎解きのノイズでしかないんだよねー、とか大学生の私はちょっとだけ思ってました、、、いや、実際ノイズを極限まで削った作品を読まされると、感慨深いな、、、 二冊とも作中ではマジでアリバイ崩ししかやってねえ、それなのにちゃんと面白いし、二冊一気に読んでも退屈しない これだよ、これこそ推理小説…
アリバイ崩しに特化したミステリ短編集、シリーズ第二弾です。前作が面白かった ので、読むのを楽しみにしていました。浜辺美波ちゃん主演でドラマ化もされました よね。キャラクターが原作と大幅に違っていて、違和感めっちゃありましたけど^^; (なぜか毎回お風呂シーンがあったり・・・原作の時乃さんではありえない・・・) アリバイ崩しが目的なので、犯人は予めわかっている訳で、形式としては倒叙もの と言って差し支えないシリーズですね。ただ、第3話に関しては、最初に時乃さんが 指摘した犯人と真犯人は別だったので、ちょっと変化球になってましたけども。 容疑者が三人いて、三人ともにアリバイがあるという難題に、時乃…
時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2 作者:大山 誠一郎 実業之日本社 Amazon アリバイ崩し承ります第2弾 今回も趣向を凝らしたアリバイを時計屋の時乃さんが一瞬で解き明かす。 こういう趣向の作品なのだから現実には~とか人物が~とか言わずに楽しめば良いのだと思う
今回は、大山誠一郎氏の『時計屋探偵の冒険:アリバイ崩し承ります2』(2022)に収録されている傑作短編「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」を、とある作品との関係でごく簡単に取り上げる*1。 その「とある作品」とは1983年刊行の長編である。ここではそれ以上のことを書くのは控える。その名を挙げることさえ、一方の作品しか読んでいない人にとっては他方の作品の興趣を削ぐことになりかねないからだ。その長編の見当がついた方(あるいはネタをバラされても構わないという方)は続きをお読みいただきたい。 【以下、2作品の真相に触れる。】 *1:先の記事の最後に、「次の投稿では、『〔ブラウン神父の〕無心』を中心に据え…
『赤い博物館』シリーズ第二弾。とても好きな作品だったので、続編が出て 嬉しい。少し前にアンソロジーで一作読んでいたので、もしかして二作目出る かも?とは期待してたんですけどね。 未解決の犯罪事件の遺留品や書類を収蔵する警視庁の犯罪資料館、通称 <赤い博物館>の館長緋色冴子と、その助手寺田聡が、未解決の難事件を再捜査 して解決するミステリー。 今回も、粒ぞろいの四作が収録されています。どれも素晴らしい出来でした。 前作では、現場に行ったり容疑者に会ったりするのは完全に寺田に任せて、雪女こと 緋色館長は博物館の中で推理する安楽椅子探偵の役割でしたが、今回は何の心境の 変化なのか、どの作品でも寺田と…
記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫) 作者:大山 誠一郎 文藝春秋 Amazon シリーズ物だが、前作は未読。大山誠一郎の作品は初めて読む。 まず気になるのはミステリ要素の充実に対して、物語の豊かさにはこだわっていないこと。 つまり推理小説の「推理」の部分には手を尽くしているのに、「小説」の部分については無頓着な印象を受ける。 外見から<雪女>と称される名探偵、緋色冴子のキャラクターにしても、助手との関係性にしても、ほとんど舞台装置と化している。ストーリーの構成もほぼワンパターンだ。 もっと書き込んで膨らますこともできるだろうし、もう少し欲を出してほしいとも思うが、逆に言えばパズラーとして…
いやな夢を見ていた。 私はマイクロバスの後部座席に一人座り、どこかに向かっているところだった。どうやら、行く当てのない旅の途中らしい。 引用元:桐野夏生『新装版 顔に降りかかる雨』(講談社文庫)Kindle版 p5 読んだことのない作家の作品を読もう!と思って、桐野夏生の〈村野ミロ〉シリーズを読み始めた。何で今まで読んでなかった!?というくらいページをめくる手が止まらず、大興奮。仕事をしている平日の24時間以内に読み終わるなんて久しぶりの読書体験。〈村野ミロ〉シリーズの次に読む桐野夏生作品を鼻息荒く調べたところ、『残虐記』というタイトルに覚えがある…慌てて過去の読書ノートを調べたら、2019年…
4時過ぎ起床。103.7㎏。 『秋山ロケの地図』『ロンドンハーツ』『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』『午前0時の森』『イワクラと吉住の番組』11/14㈫放送回視聴。 ガストでクーポンの目玉焼き&ベーコンソーセージセットを頼み、『カケスはカケスの森』読了。続けて『超短編! 大どんでん返し』から乾くるみ「なんて素敵な握手会」、蘇部健一「トカレフとスタンウェイとダルエスサラーム」、似鳥鶏「vsパンダ」、米澤穂信「白木の箱」、日明恩「愛妻へのプレゼント」、田丸雅智「骨なし」、辻真先「忘却とは」、井上真偽「或るおとぎばなし」、東川篤哉「早業殺人に必要なもの」、葉真中顕「究極の密室」、法月綸太郎「…
Jミステリー 2022FALL、東野圭吾/新川帆立/大山誠一郎/似鳥鶏/斜線堂有紀/太田愛著、光文社、2022.10、16cm 304p 「ミステリアンソロジー第2弾。全編新作書下ろし。」 6人の作家さんによる短編集です。ミステリーというほどの内容ではないと思うんですけど、サクサク読めて楽しかったです。同じシリーズのspringより軽めかな。これはこれでいいんじゃないかな。
午前3時までオールナイトニッポンを聴いてからお風呂に入ったので、寝たのはほぼ明け方近くだったから、幸い予定もないし、とゆっくり寝るつもりでアラームをセットせずにおいたのに、9時になるかならないかのうちに自然に目が覚め、二度寝しそうな気配もないぐらい、やけにスッキリ。それならば、と着替えてコメダ珈琲へ。モーニングで朝食を済ませ、図書館で借り、昨日内科の待合室で読み始めたアンソロジー「神様の罠」の続きを読みふける。 6人の作家による短編集で、乾くるみさんの「夫の余命」は待合室で読み終えていた。続きの今日は、米澤穂信さんの「崖の下」に続いて芦沢央さんの「投了図」まで。 ダイソーでA4のコピー用紙やら…
読みかけの本がいっぱいあるなあ 仮面幻双曲 仮面幻双曲 (小学館文庫)作者:大山誠一郎小学館Amazon 鬼死骸村の殺人 鬼死骸村の殺人 (実業之日本社文庫)作者:吉村 達也実業之日本社Amazon 少年検閲官 少年検閲官 〈少年検閲官〉シリーズ作者:北山 猛邦東京創元社Amazon オルゴーリェンヌ 今月のベスト 続編出たら読みたいな オルゴーリェンヌ 〈少年検閲官〉シリーズ (創元推理文庫)作者:北山 猛邦東京創元社Amazon 嘘つきは殺人鬼の始まり SNS採用調査員の事件ファイル 噓つきは殺人鬼の始まり SNS採用調査員の事件ファイル (宝島社文庫)作者:佐藤青南宝島社Amazon A…
鵜飼有志『死亡遊戯で飯を喰う。』③~⑥・・・今年読み始めたラノベシリーズでは一番好きかも。 乙一・中田永一・山白朝子『沈みかけの船より、愛をこめて』・・・こうやってみると乙一と中田永一の区別がつかない。山白朝子は違うと感じるけど。それはそうと、今回も傑作揃い。とにかく泣ける。大人なのに出先で読めない。どれもいいが、「パン、買ってこい」「地球に磔にされた男」「沈みかけの船より、愛をこめて」が白眉。 大山誠一郎『にわか探偵 ワトソン力』・・・周りの人間の推理力をあげるワトソン力という設定はギャグだが、それでもそういうものかと思えば楽しめる。ただ、あの凝りに凝った作風の大山誠一郎が書く物としては、ミ…
8/1 瀬那和章『レンタル・フルムーン 第一訓 恋愛は読み物です』(電撃文庫) 8/1 鮎川哲也・監修『新・本格推理 03 りら荘の相続人』(光文社文庫) 8/2 緒乃ワサビ『天才少女は重力場で踊る』(新潮文庫 NEX) 8/2 三河ごーすと『義妹生活』(MF 文庫 J) 8/3 瀬那和章『レンタル・フルムーン 第二訓 良い関係は良い距離感から』(電撃文庫) 8/3 瀬那和章『レンタル・フルムーン 第三訓 星に願ってはいけません』(電撃文庫) 8/4 古野まほろ『探偵小説のためのエチュード 「水剋火」』(講談社ノベルス) 8/4 古野まほろ『探偵小説のためのヴァリエイション 「土剋水」』(講談…
ここでは以下の3つの要素を重視した作品を取り扱います。 1.推理の過程が丁寧に描写される。 2.手がかりから真相を推理できる。 3.謎解きに不要な描写が少ない。 端的に言えば、謎と説得力のある解決が中心となった物語ですね。コミカライズが多めなのはご愛敬。 本格ミステリというジャンルの特性上、プロットの構築に非常に手間がかかるので仕方がないですね。 ※漫画に限った話題ではありませんが、トリックの借用に関する議論はここでは扱いません。 ① 怪奇探偵・写楽炎 ② ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録 ③ 孤島パズル ④ 虚構推理 ⑤ 屍人荘の殺人 ⑥ さよなら神様 ⑦ レイトンブラザーズ・ミステリールー…
コーヒーロースターでコーヒーを焙煎。よい香りが漂う 昨年の喫茶店(カフェ)の倒産が過去最多を更新したと報じられた。産地での不作や円安によるコーヒー豆の価格高騰が理由の一つにあるという。街のカフェには多くの人が親しんでいるが、1杯の価格があまり上がってしまっては寄りづらい。消費者はいくらまでなら出せるのか、アンケートを実施するとともに、カフェの倒産について、コーヒー豆のメーカー、大手チェーン、カフェ、コーヒー豆を取り扱う団体などを取材すると、違う要因が見えてきた。(文・写真:ライター・上條まゆみ/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 家庭用コーヒー豆は20~30%値上げに (写真:ロイ…
132冊 不屈の記者 本城雅人 十津川警部 捜査行 殺意を運ぶリゾート特急 西村京太郎 こうして誰もいなくなった 有栖川有栖 これが防衛大学校~一学年前期編 鬼頭蘭丸 内調特命班 徒手捜査 今野敏 ボーダーライト 今野敏 そして誰も死ななかった 白井智之 東大理三の悪魔 幸村百理男 真実の檻 下村敦史 仮面病棟 知念実希人 バック・ステージ 芦沢央 からまる 千早茜 調特命班 邀撃捜査 今野敏 球体の蛇 道尾秀介 時をかけるゆとり 朝井リョウ むらさきのスカートの女 今村夏子 勁草 黒川博行 不協和音 京都、刑事と検事の事件手帳 大門剛明 崩れる脳を抱きしめて 知念実希人 騒がしい楽園 中山七…
加藤実秋の「メゾンド・ポリス」退職刑事のシェアハウスを読んだ。 メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス (角川文庫) 作者:加藤 実秋 KADOKAWA Amazon 柳町北署の新人刑事・牧野ひよりは、念願かなって刑事になったものの、仕事はお茶汲みやコピー取りばかり。そんなある日、所轄内で殺人がネットで生中継されるという事件が発生。どうやら四年前に起きた事件の模倣犯らしい。ひよりは上司の刑事から、四年前の事件を担当していた元刑事・夏目惣一郎の話を聞いてこいと命じられる。 新人刑事ひよりと一癖も二癖もある退職刑事たちが事件を解決していく痛快エンタメ小説。 メゾンドポリスは退職警官たちが集まっ…
毎週日曜日は、この一週間(6/3~6/9)に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上を表示) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 6/16・6/23 号 2 冊わたしの料理 坂田阿希子 筑摩書房 2,200小さな声の向こうに 塩谷舞 文藝春秋 1,870 ◆女性自身「今週のあなたを開く本」: 6/18 号 4 冊笑う森 荻原浩 新潮社 2,420今まで誰も教えてくれなかった人前で話す極意 鴨頭嘉人 …
国内 1位:永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした 南海遊 8点 2位:推理の時間です 講談社編 8点 3位:ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ 扉子たちと継がれる道 三上延 8点 4位:死体で遊ぶな大人たち 倉知淳 8点 5位:忍鳥摩季の紳士的な推理 穂波了 7点 6位:にわか名探偵 ワトソン力 大山誠一郎 7点 7位:新 謎解きはディナーのあとで2 東川篤哉 7点 8位:冬季限定ボンボンショコラ事件 米澤穂信 7点 9位:黄土館の殺人 阿津川辰海 7点 10位:バーニング・ダンサー 阿津川辰海 7点 11位:それは令和のことでした 歌野晶午 6点 12位:明智恭介の奔走 今村昌弘 6点 1…