バンド。 みうらじゅん(Vo.G.)、喜国雅彦(B.)といった漫画家連中が結成した税金対策バンド。TBSの深夜番組「イカすバンド天国」内で活躍した。最近、映画化もされたみうらの漫画「アイデン&ティティ」は当時のバンド活動の経験に基づいている。
カリフォルニアの青いバカ テレグラム・ゲロ
みうらじゅん 喜国雅彦
日本春歌考 荒木一郎 Amazon ★★★★ 大学受験のために学生たちが上京してくる。中村豊明(荒木一郎)、上田秀男(岩淵孝次)、丸山耕司(佐藤博)、広井克巳(串田和美)の男子4人。里美早苗(宮本信子)、金田幸子(吉田日出子)、池上智子(益田ひろ子)の女子3人。彼らは先生の大竹(伊丹一三)と居酒屋に行く。一方、男子たちは受験番号469番の女子(田島和子)が気になっていた。 この頃は日活もエロを織り交ぜてくるようになったが、本作についてはエロというよりは性である。政治と性を青春映画のメロディに乗せているのだ。ただ、やっていることはぶっ飛んでいるのに、根は真面目なのだからびっくりする。サービスとし…
日本の夜と霧 渡辺文雄 Amazon ★★★ 新聞記者の野沢晴明(渡辺文雄)と女子学生の原田玲子(桑野みゆき)が結婚式を挙げている。2人は60年安保闘争で知り合った。現場は祝福モードだったが、そこに元同志の太田(津川雅彦)が乱入してくる。太田は北見(味岡享)の失踪について話し、その場にいる人たちを糾弾するのだった。また、破防法世代の宅見(速水一郎)も乱入、スパイ扱いされて自殺した高尾(左近允宏)について物語る。 この時代から左翼運動が行き詰まっていたことが分かって興味深い。武装闘争か平和闘争かの対立があり、どちらの手段を取っても体制の打倒はできないことが示唆されている。ある人物は前衛が頑張れば…
太陽の墓場 炎加世子 Amazon ★★★ 釜ヶ崎のドヤ街。花子(炎加世子)はヤス(川津祐介)たちと協力して売血で稼いでいた。そんなある日、武(佐々木功)と辰夫(中原功二)の幼馴染が愚連隊の信栄会に入る。花子は信栄会の会長・信(津川雅彦)とビジネスをすることになった。信栄会は暴力団の大浜組を恐れてドヤを渡り歩いてる。一方、ドヤ街では動乱屋(小沢栄太郎)が一目置かれるようになっており……。 愚連隊が何なのかよく分からないのだが、要は現代の半グレみたいなものだろうか。反社会的な組織であるものの、暴力団のような格式はない。会長を含め構成員がみな若く、見た感じ不良集団の延長のようである。ただし、掟はと…
昭和の"たちんぼ"映画第二弾は大島渚監督作品! おおまかなストーリー 映画の感想 ➀青春時代の過ごし方は大切! ②男女が結託する"立ちんぼ"がある!と発見 ③ライドシェア導入は慎重にした方がいいのでは? ④川津祐介さんが無軌道な若者にピッタリ! ⑤桑野みゆきさんが清純派の殻を破った! ⑥佐藤慶さんの悪役っぷりがいい! この映画のエピソード ➀川津祐介さんと桑野みゆきさんのラブシーン 昭和の"たちんぼ"映画第二弾は大島渚監督作品! 前回の映画紹介「夜の女たち」に続く 昭和の"たちんぼ"映画第二弾は 大島渚監督の「青春残酷物語」(1960年)です! 同じ"立ちんぼ"と言っても 前回の作品とはかなり…
青春残酷物語 デジタル修復版 桑野みゆき Amazon ★★★ 不良少女の真琴(桑野みゆき)が中年男にホテルに連れ込まれそうになる。そこを大学生の清(川津祐介)が助ける。それをきっかけにして真琴と清はいい仲になる。清は真琴を使って美人局をすることに。同時に真琴の妊娠が発覚する。 松竹ヌーヴェルヴァーグの嚆矢となった映画である。 60年安保闘争を背景にしているところが目を引いた。また、韓国の四月革命も引用されている。当時は世界的に政治の季節だったわけだ。若者は青春の怒りを政治にぶつけていたのである。ところが、彼らの運動も完膚なきまでに叩き潰された。こと日本において市民運動が成功した試しはない。日…
映画監督大島渚の関係者へのインタビューをドラマ仕立てにした、半ドキュメンタリー作品。 下記、ネタバレ注意(?) 大島渚は毀誉褒貶相半ばする監督で、たぶんまだ作品は直接は見たことがない。 が、無論興味はあるので知識の仕込みとして良かろうとチョイス。 「オオシマギャング」は、無論、大島監督作品の制作に直接関与した人々を指す。 大島監督の妻で女優の小山明子が、インタビューでは大きな比重を占めている。 当時、大島は既に介護を必要とする状況だったらしく、その時の大島自身は作品には出演していない。 大島と松竹との関係に重心が置かれた描写ゆえに、大島作品や大島自身の思想というものが浮かび上がる内容となってい…
愛と希望の街 渡辺文雄 Amazon ★★★★ 少年・正夫(藤川弘志)が靴磨きの女たちに混ざって鳩を売っている。それを会社重役の娘・京子(冨永ユキ)が買い取る。ところが、それは鳩の帰巣本能を利用した詐欺だった。正夫には病気の母(望月優子)と自閉症の妹(伊藤道子)がおり、一家は生活保護で暮らしている。一方、京子には兄・勇次(渡辺文雄)がいて……。 貧富の差を題材にしたネオレアリズモっぽい内容だった。わりとまっとうな劇映画で驚いたが、そもそもヌーヴェルヴァーグはネオレアリズモから影響を受けているので、キャリアの初期にこういう映画を撮るのも必然なのだろう。方や高度経済成長から取り残された貧困層。方や…
帰って来たヨッパライ 加藤和彦 Amazon ★★★ 3人の学生(ザ・フォーク・クルセダーズ)が最後の休暇を楽しむため海にやってくる。服を脱いで泳ぎに出ると何者かに服がすり替えられていた。煙草屋の老婆(殿山泰司)に朝鮮からの密航者と間違われた3人はその場から立ち去る。銭湯でくつろいでいると、後ろにいた女(緑魔子)から服を盗むようアドバイスされる。そして、拳銃を持った青年(佐藤慶)と少年(車大善)が現れる。 ヒット曲とタイアップしたコメディかと思いきや、ベトナム戦争の脱走兵というシリアスな問題も扱っている。低予算らしい安っぽさがシュールな雰囲気を醸成していてなかなかすごい。ザ・フォーク・クルセダ…
DVDで映画『日本の夜と霧』(1960年、監督:大島渚)鑑賞。モダンなジャケットが印象的。あの頃映画 日本の夜と霧 [DVD]桑野みゆきAmazonこの映画は昔、どこかの名画座で見たことがあるが、あらためすごい映画だった。60年安保闘争をテーマにしてるが、内容は同時代に生きていた人でなければ本当に理解することは不可能だろう。もはや大島渚監督の意図を解する人は時代的に難しい。いまではリアルタイムで学生時代に安保闘争を経験した世代はほとんど残っていない。先の大戦と同じように安保闘争も遠い歴史上の出来事になってしまったというべきだろうか。www.youtube.comそれでも内容はともかく、演出には…
〈2022年3月31日の記事〉 映画界の革命児 今回の『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』は【大島 渚 ”最前線” の戦い】。松竹ヌーベルバーグの旗手として映画界に登場。以降、革命児として衝撃の問題作を次々に世へ送り出し、世界にも名を知られた大島渚監督。 安保闘争をテーマとした『日本の夜と霧』(60年)で物議を醸し松竹を退社。性のタブーに挑戦した『愛のコリーダ』(76年)では「猥褻か芸術か」の大論争を巻き起こす。 そして83年のカンヌ国際映画祭に出品された『戦場のメリークリスマス』では、戦場での敵同士の男と男の愛情を描き、パルムドールの大本命と目された。 そんな大島監督の ”最前線” に生き…
www.nhk.or.jp『愛のコリーダ』(1976)、『愛の亡霊』(1978)などの大島渚監督による作品。 1942年、太平洋戦争下のジャワ島を舞台に、捕虜収容所を管理する日本軍のヨノイ大尉、ハラ軍曹らと、捕虜となった英軍セリアズ少佐らの交流が描かれていきます。 日本軍と英軍、全く異なる二つの国の関係が繊細に描かれるのが見どころ。国への忠義と人間性の間で揺れ動く姿をリアルに見せています。故・坂本龍一のスコアがよりドラマ性を強めているのも作品の魅力に。 その坂本龍一がヨノイ大尉役を、ビートたけしがハラ軍曹役を、デヴィッド・ボウイがセリアズ少佐役を務めており、作品のテーマを強める活躍を見せていま…
THE TED TIMES 2024-12「青春ジャック」 3/22 編集長 大沢達男 『青春ジャック 止められるか、俺たちを 2』、 久しぶりに映画を楽しみました。 1、映画検定 数年前に「映画検定」なんて、映画の教養を試すテストが流行りましたが、あんな感じです。 映画『青春ジャック』を観ていて、元気のいい昭和の映画を思い出しました。 そこで問題です。 問題:以下の映画の監督名を答えてください。 1、『日本春歌考』(昭和42年) 2、『ザ・オナニー』(昭和45~55年) 3、『水のないプール』(昭和57年) 4、『洗濯屋ケンちゃん』(昭和57年) 5、『コミック雑誌なんかいらない』(昭和61…
1 「自分を何だと思ってる。お前は悪魔か」「そう。あんたに禍を」 1942年 ジャワ 白人と東洋人の男が後ろ手に縛られて、地面に横たわっている。 「前代未聞の不祥事が起こった。所長大尉殿に報告せず、ハラの一存で処断する」 ハラ軍曹(以下、ハラ)が証人になってもらうと、日本語を話す連絡将校のロレンス陸軍中佐(以下、ロレンス)に説明する。 ハラは、オランダ兵の捕虜デ・ヨンを差し、バナナを盗んで一週間営倉に入っていただけだと言い、その営倉に忍び込んた朝鮮人軍属のカネモトがデ・ヨンに何をしたかを言ってみろと、カネモトを甚振る。 「どうやって、その白んぼのケツにぶち込んだ?」 ハラはここでやってみろと、…
【水曜は和もの70's】15・りりィ りりィのセカンド「ダルシマ」からのソフトロック曲”今日は空が雨で出来てる”('73)で、途中からのarrがポール・マッカートニーの“Uncle Albert”にそっくりです(こういうの怒る人もいるけど僕はいやむしろOK)。前年には大島渚監督の「夏の妹」(主演は栗田ひろみ)にも出演してたように女優としても活動。“私は泣いています”がヒットするのは翌年の事です。日米のハーフとして博多に生まれ新宿でフーテンしてるうちにプロの歌い手になったといういかにも70's初めごろのエピソード(自分で言ってる)が好き。 https://www.youtube.com/watc…
28から30歳くらいの元教師・西村がいる。彼は結婚し子供もいるが、この5年間熱中していたのは、父母らが入居していた長屋の住人36人の伝記を書くこと。出生も仕事も年齢も共通していない36人であるが、共通しているのは1945年8月6日8時15分に広島で死亡したこと。すでに1960年代には被爆者の手記が盛んに書かれていたが(占領が終わってGHQの検閲がなくなったことと、ビキニ環礁で日本漁船が被ばくした。原水爆禁止運動が起こり、その影響があった)、西村はそのままでは消えてしまう記憶を言葉に残すことがとてつもなく重大な仕事であると思えた。しかしあまりの熱中を妻子は理解せず、元からの他人嫌いや無関心のせい…
2024/03/15 高橋和巳「憂鬱なる党派 上」(新潮文庫) 六全協で挫折した活動家たち。大島渚「日本の夜と霧」と同じ主題。 1965年の続き 20世紀にはこの小説は社会運動や革命運動のやりかたについての議論をどう評価するかで読んできただろう。革命家になるのか、党員になるのか、党の方針に無条件でしたがうのか、党の方針を(除名覚悟で)批判するのか。除名されたり離脱したものは運動に参加してもよいのか。こういう議論は1980年ころまではさまざまな党で行われてきたが、21世紀にはもう無効。議論の中心にあった党が運動をするものに権力や権威を発揮しなくなったから。むしろ21世紀には無党派の人々が問題ごと…
読んだ 飯村大樹「サッド・バケーション」 大白小蟹「うみべのストーブ 大白小蟹短編集」 山下澄人「しんせかい」 「現代詩文庫18 長谷川龍生詩集」 「NHK100分de名著 ローティ 偶然性・アイロニー・連帯」 河野真理子「メロドラマの想像力 その核と射程」 山本さほ「岡崎に捧ぐ 第2巻」 穂村弘、東直子「回転ドアは、順番に」 大島渚 高崎俊夫編「わが封殺せしリリシズム」 佐々木敦「新しい小説のために」 「伊丹十三選集 二」 観た 小林恒夫監督「点と線」 成瀬巳喜男監督「山の音」 岡本喜八監督「江分利満氏の優雅な生活」 ヴィム・アンダーソン監督「PERFECT DAYS」 木下恵介監督「女の園…
俳句を詠むに意味で読まないこと 児 島 庸 晃 目視して物を受け取る時、その感覚は意味で受け取っているのではなかろうか、と思う時がある。それらは頭で判断していると思われているのだろうか。だが、実際は情感で物を見ているのである。俳句が意味の句の表現になってしまうのは、その意味が頭の中に残ってしまっているからである。俳句は情感の支えがしっかりしていなければ、ただの言葉でしかなくなる。俳句は意味で作ってはならないのである。俳句が説明になってしまう理由でもある。私の二〇代初めの頃、映画の世界にヌーベルバーグ(新しい波)と言う新しい表現の実感直感のフランス映画が、日本の若者の心を捉えていた。その代表的映…
1950年代、世田谷区奥沢から三茶にかけてを舞台に、ロンドン帰りのスリランカ人画家デウェンドラサン දෙවොන්දරා සන්(38歳でしたか)と、近くのバー勤めの女性典子サン නොරිකෝ සන්(21歳だったか23歳だったか)のふたりの、恋と別れの物語です。スリランカでは記録的なベストセラーを記録したそうで、アジアの大半の地域は80年代に日本製ドラマ「おしん」で初めて戦後邦人女性像に接したわけですが、ひとりスリランカは、1950年代すでにノリコサンに接していたという。 おどんま 盆ぎり盆ぎり 盆から先ゃ 居らんど 盆が早よ來りゃ 早よ戻る 亡き人 | NDLサーチ | 国立国会図書館 (1…
万引き家族リリー・フランキーAmazon 基本情報 万引き家族 ★★★★ 2018 ヴィスタサイズ 120分 @アマプラ 撮影:近藤龍人 照明:藤井勇 美術:三ツ松けいこ 音楽:細野晴臣 原案、脚本、編集、監督:是枝裕和 感想 ■団地群の谷間に残る廃屋のような平屋に棲む5人の家族は低賃金労働と国民年金と万引きでかつかつの生活を続けていたが、それでもなんだか楽しそうな生活を送っている。でも、家族には大きな秘密があり、成長した少年は万引きに罪悪感を覚え始める。。。■散々話題になった是枝監督の代表作だけど、さすがに優等生的によくできているし、誰が観てもわかりやすいし、日本のシビアな現代を直截に描いて…
小津安二郎監督『麦秋』1951何度もテレビで放映されてきているでしょうが,私は,たぶん見ていない.若いころは,欧米の映画のほうが圧倒的におもしろいと思っていたので, 『麦秋』紀子の暮らす家庭 寅さんも角川も1本ずつしか見ませんでした. **黒沢,小津は1960年代には大御所であり1970年代には映画の教科書のようになり1980年代には,分析・論評対象の作品になってしまって(そのためか,日本映画は失速)私は,鈴木清順や次の勅使河原,大島渚のほうに興味がいき,実際はヨーロッパ映画を見ていました. 『麦秋』人生を語り合う紀子の両親(東山千栄子と菅井一郎) あらためて50年代,60年代の映画におもしろ…
「AI」といえば、今は巷をにぎわせているArtificial Intelligenceですね。 でも、ここでは「愛」です。 部屋のBGMにイギリスのBBC Radio2を流したりします。 幅広い世代の英米ポップ・ロックがかかっていて、かつイギリス英語の響きが好きなので流しています。 この曲、よくかかります。 Quincy Jones - Ai No Corrida (1981) 今までクインシー・ジョーンズのオリジナルと思っていましたが、これはカバーバージョンなんですね。 クインシー・ジョーンズはマイケル・ジャクソンのアルバムのプロデューサーで有名ですね。あと・・久石譲さんの名前の由来ですね。…