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大恐慌

(社会)
だいきょうこう

大恐慌 だいきょうこう The Great Depression

1929年から 1933年にかけて発生した世界的な恐慌。この世界大恐慌は,次の三つの点で画期的な出来事だった。第 1 は,それが歴史上最も激しく,かつ世界経済全体 (社会主義国のソビエト連邦を除く) を巻きこんだこと。第 2 に,そこからケインズ理論が生まれ,第 2 次大戦後の経済政策のあり方を大きく支配したこと。第 3 に,世界大恐慌は,経済的にはブロック化 (ブロック経済) を生んで自由貿易体制を分断し,政治的にはドイツ,日本,イタリアなどでファシズムを生んで,第2次世界大戦への導火線となったことである。

大恐慌についての二つの学説

しかし,大恐慌の原因をめぐっては,学説が大きく二つに分かれている。一つの学説は,設備投資,住宅投資,耐久消費財の需要など民間部門の支出の動きそのものが不安定な点を強調する,いわゆるケインジアンの考えである。もう一つの学説は,連邦準備制度による通貨政策の失敗を重視し,通貨供給量を削減しすぎたことが原因だとする,いわゆるマネタリズムの考えである。
J.M.ケインズは,不況の原因を有効需要の不足に求める理論体系を《雇用・利子および貨幣の一般理論》として 1936年に発表した。有効需要の不足によって発生している大量の失業を,政府支出の拡大なり減税といった財政政策,あるいは通貨供給の増大といった金融政策によって,解消していくことができることを証明したのである。それ以前の古典派経済学では,失業の発生を,もっぱら実質賃金が労働生産性に比べて高すぎることに求めていた。労働コストが高すぎると,労働に対する企業の需要が弱くなるからである。
しかし,こうしたケインズ理論は,1934年以降のニューディール期に積極的に生かされることはなかった。かえって,ドイツ,日本などでは軍事支出の拡大が景気を回復させたが,アメリカでは 1937年〜1938年に再び厳しい不況が訪れ,結局 1930年代を通して,アメリカの 1 人当り国民総生産 (GNP) は 1929年のピークを抜くことができず, 30年代は大不況の 10 年となってしまった。アメリカもまた,第二次世界大戦によって,本格的に景気を回復し,大戦中に実質所得をほぼ倍増させたのである。

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