2022年1月8日(土)今年初めての美術館賞は、伊勢丹京都店7階にある美術館「えき」KYOTOの能面展。展示された能面は、金剛家所蔵品と篠山能楽資料館のもの、そして能面愛好家・研究者スティーヴェン・マーヴィン氏のコレクションで構成される。 どれも名品ぞろいだが、やはり金剛家のものは別格だった。 金剛家所蔵の能面といえば、豊臣秀吉が愛蔵した雪・月・花の小面のひとつ「雪の小面」(伝龍右衛門作、室町時代)が超有名で、もちろん、この展覧会でも目玉のひとつである。 雪の小面は古典的な顔立ちで、現代の基準からすると美人とは言い難いが、いかにも高貴な女性らしい品格がある。能《定家》の式子内親王のような役柄に…