ハドソンから発売されたPCエンジンスーパーCDROM2対応のRPG。
1992年3月26日発売。正式タイトルは『天外魔境II 卍MARU』
日本に似た架空の世界「ジパング」を舞台にした和風RPG。
前作『天外魔境 ZIRIA』の流れを汲む作品としてリリースされた本作は、当時の他機種を含めた全作品の中でも、特にずば抜けた表現力と圧倒的なボリュームでユーザーを魅了。本作を遊びたいためだけに、当時59,800円と高価であった「PCエンジンDUO」を購入したユーザーも少なくは無かった。
内容も、決して見掛け倒しではなくしっかりとしており、広井王子の奇抜なアイデアと世界観。そして、それらを纏め上げる桝田省治が構築する絶妙なゲームバランスと、膨大な総プレイ時間にも関わらず、ユーザーを決して飽きさせないイベントの連続がユーザーを夢中にさせた*1。また、イベントシーンや町の人との会話等に暗に込められた「エロティック」と「グロテスク」な表現も決して露骨ではなく、自然に溶け込む形で表現されており、製作者のセンスの高さを窺わせた。
当時のPCエンジンの売りの一つでもあった、アニメーションと声優による演技についても、絵師・辻野寅次郎の描く高レベルなアニメーションと、超豪華声優陣による演技が、重要なイベントシーンを盛り上げてくれた。また、ボス戦に負けたときのボスのセリフなども非常に洒落ていて、わざと負けてみるユーザーも多かったのではないだろうか。
作品を盛り上げる音楽には、スタジオジブリ作品に楽曲を提供し今や世界的な作曲家となった久石譲が参加。サウンドを自ら指揮をするなど尽力し、中でも「フィールド画面の曲」はファンの間でも非常に評価が高い*2。
数々の伝説的な偉業を成し遂げた作品として、10年以上に渡ってファンによって語り継がれ、もはや神格化された存在となっていたが、2003年、ファンの想いが通じたのか遂に移植されることが決定した。
広井王子自らが指揮を執り、アニメーションも新たに描き起こし、プレイステーション2とゲームキューブに移植。2004年9月25日にリリースされた。当時のスタッフは参加せず、イベントシーンや町の人との会話が若干調整され、外見も現代の感覚を取り入れたものになってはいるが、ゲームバランスがオリジナルと著しく異なり、旧来のファンからブーイングを受けた。
2006年3月9日、ニンテンドーDS版がリリース。イベントや会話等、若干の調整があるものの、ゲームバランス等、オリジナルにほぼ忠実な移植となっている。
根の一族と火の一族の壮絶な戦いから千年。
人々の記憶から暗黒ランの悪夢は忘れ去られ、
「火の一族」はもはや伝説の存在となった、その頃……。
暗黒ランとその封印である七本の聖剣の存在を知り、
野心を燃やす一人の男がいた。
ジパングの西方・大和地方の支配者タイクーンである。
「ヨミと暗黒ランの力を利用すれば、
ジパング全土はタイクーン様のものとなりましょう」
腹心の三博士の言葉を信じたタイクーンは、
七本の聖剣をすべて抜き去る決意を固めた。
封印を解かれたその時、ヨミと暗黒ランは再び地上に復活する。
千年前の悪夢が、今、ジパングで繰り返されようとしている。
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