広島での原爆被災による死者の名簿は、年々書き加えられてきている。今年も新たに3,035人のお名を書き足す作業が、八月六日の記念式典に間に合うように、今日始まったという。この一年にまでご長命であられたかたも、症状や後遺症に悩まれたご生涯だったろうか。さいわいにして症状が軽かったかたでも、いつ発症するか重症化するかと、つねに不安を抱えるご生涯だったろうか。 記帳担当者がたも高齢化が進み、自身被爆者であるかたは二名のみだという。あらたに十四人の記帳担当者を追加したという。 核廃絶への祈願にも、平和への祈りにも、嘘があるはずはない。けれども広島には、あまりに複雑な多くのことがあったのを、そして今もあり…