『クワトロ・ラガッツィ 上』 若桑 みどり著 天正少年使節と世界帝国 宣教師が訪れた十六世紀半ばの日本は、戦国時代のまっただ中であった。切腹やら首切りなど血なまぐさい混乱した世情で、民は貧しかった。これをどうしようもない野蛮な民族とみた宣教師もあれば、憐れんで救済に努めて、ここに骨を埋めた人物もいた。 後者のひとりがルイス・アルメイダというポルトガル人。若くして交易で莫大な富を築き、その多くを日本での布教に注ぎ込んだ。彼は科学的教育を受けた人物で、日本で初めての病院を開いて西洋的医療を広めたりもした。これを記念した彼の銅像が大分市にあるというんだが、私は全く知らなかった。 有名なのは、フランシ…