1 「わがかばね(屍)は野外にすてられて、やせ犬のゑじき(餌食)に成らんを期す」 幼少期から才媛の誉 (ほま) れが高く、猛烈な読書家でもあった。 その知的欲求の高さが探求心に繋がり、物事に対する集中力を鍛え上げていく。 主体性も育てていくのである。 闊達(かったつ)で開放的なキャラに昇華するのだ。 然るに、上流の子女が多く集う中島歌子(歌人)の歌塾「萩の舎」(はぎのや)に通わせていたことで判然とするように、士族であったが故に、娘への教育に熱心だった父・則義と異なり、女子には学問が不要と考え、裁縫などの手仕事を重視する母・多喜の影響で高等教育を受けることがなかった。 泣く泣く学業を断念したとも…