死者の書,身毒丸 (中公文庫 お 41-2) 作者:折口 信夫 中央公論新社 Amazon まず俺は学生の頃に日本史をやってなかったので、奈良時代前後の日本史を軽くさらって、人物関係を確認しよう。 7世紀後半、大化の改新の後に即位した天智天皇が崩御すると、その子大友皇子と、弟大海人皇子との間で、皇位継承争い(壬申の乱)が起こり、大海人皇子が勝利して、天武天皇として即位し、奈良時代には天武系の天皇が即位するようになる。本作に出てくる大津皇子は天武天皇の子である。 710年に平城京への遷都が行われる。聖武天皇の時代、藤原不比等、その子4兄弟(藤原四家)が力を握る。本作の南家郎女は藤原南家の娘である…