前回の記事に追記する。 明治十五年度に於けるオットセイの総捕獲量が判明(みえ)てきた。 その数、実に二万七百匹以上。剥がれた皮の枚数のみに限定してさえコレだから、実態としてはもう幾ばくか上乗せされることだろう。大漁、豊漁、「当たり年」とはよくも言ったり。冒険的な外国漁船の跳梁で、日本の北の海獣はまさに虐殺されたのだ。 (Wikipediaより、キタオットセイ) 「忌々しい毛唐めが。やつら、程度を弁えぬ」「人の庭先で好き放題しおってからに。もはや一刻の猶予もならぬぞ」 加減を知らぬ根こそぎぶりに、政府も胆を潰したか。 法規制が急がれて、その翌々年、成立をみた。布告内容を以下に引く。 太政官第拾六…