30年も40年も食べ続けている味というか店のことは書いたことがあるが、もう二度と食べることのできない味というかお店のことは書いたことがない。今日はそれを書こうと思う。 1軒目は「太陽軒」の炒飯だ。これは、父が何かの用事で金沢に行った時に必ず食べてきて、家に帰ってから必ず「今日、太陽軒の炒飯食べてきたぞ。美味かったぞー」と僕達に言うのだ。いわゆる刷り込みですな。このせいで僕、姉、母の太陽軒の炒飯に対する幻想はどんどん膨らんでいった。 そしてついに太陽軒に行く日がやって来た。家族で金沢に行って、帰るのかな、と思っていたら、父が「太陽軒に行くぞ」と言ったのだ。太陽軒の前に着いた僕たちは心の中で少し不…