奈良市戦災概況図~一部抜粋(国立公文書館蔵) 太平洋戦争末期、日本全国の都市は米軍の激しい空襲に晒され、陸海軍基地や工場だけでなく多くの民家が焼かれ、銃後の人々が戦災で命を失いました。 そんな中、戦後「京都と奈良は空襲を受けなかった」という言説が、まことしやかに語られるようになりました。 曰く、京都と奈良は世界的に貴重な文化財があったため、米軍が爆撃を避けたのだと。 しかし、この言説は全くの神話にすぎません。 米軍はイタリアで、西欧文明の至宝が集まるローマを容赦なく爆撃しており、なじみの薄い日本の文化財消失に拘泥するなど到底考えられないことです。 米軍が京都、奈良に大規模空襲を掛けなかった原因…