見返りを求めずに国家・社会・目上の者などにつくす者のこと。
ところで、あの人の療治はずいぶん面白いことをするのでございます。マルファさんはある水薬を知っていて、いつも絶やさないようにしまっておりますが、何かの草をウォートカの中に浸けたきつい薬でございます。あのひとはその秘伝を知っておりますので。グリゴーリイさんは一年に三べんほど中風かなんぞのように、腰が抜けてしまいそうなほど痛いので、そんな時この薬で療治をします。何でも年に三べんくらいでございます。その時マルファさんは、この草の汁をしませた酒で手拭を濡らして、三十分ばかりつれあいの背中を一面にこすって、からからになって赤く腫れあがるまでつづけた後、何かおまじないを言いながら、壜に残っている薬をつれあい…