モンゴル高原東部に居住していた契丹族が、狩猟等に用いた犬。渤海を経由して平安時代の日本にももたらされている。 契丹族と犬 渤海を経て日本へ 参考文献 契丹族と犬 モンゴル高原東部の遊牧民である契丹族は、狩猟や遊牧動物の管理のために犬を用いた。それは「契丹犬」とよばれる有能な犬だったとされる。 14世紀に編纂された遼朝(契丹)の歴史書『遼史』には、猟犬の記載が多いという。たとえば興宗(耶律只骨)時代の1053年(天喜元年)九月庚寅には、「猟、遇三虎、縦犬獲之」とある。これは皇帝が自ら参加した大規模な狩りの際のものであり、猟犬たちに包囲されて攻撃を受けた三匹の虎はついに抵抗する力を失い、最終的に虎…