入道の宮をまた新たに御母后《ごぼこう》の位にあそばすことは 無理であったから、 太上天皇に準じて女院《にょいん》にあそばされた。 封国が決まり、院司の任命があって、 これはまた一段立ちまさったごりっぱなお身の上と見えた。 仏法に関係した善行功徳をお営みになることを 天職のように思召《おぼしめ》して、精励しておいでになった。 長い間御所への出入りも御遠慮しておいでになったが、 今はそうでなく自由なお気持ちで宮中へおはいりになり、 お出《で》になりあそばすのであった。 🌃🎼神秘的な和の夜 written by ゆうり🌃 🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画です。チャンネル登録お願い…