「ただの気まぐれだったから」 彼女との別れは突然訪れた。 あれは飲み会の帰りだった。 「ねえ?まだ一緒に飲もう?」 俺はその時から恋に落ちた。 「ねえ?今日お家行っていい?」 「ねえ?この映画観に行こ?」 「こら。寝すぎだぞ。」 「美味しいね。はい。あーん。」 「ねぇ!はやくー!」 その言葉と仕草、表情。 全てに俺は癒されていた。 ある日、友達と訪れた居酒屋。 俺たちが飲んでいると 入り口から腕を組んだカップルが現れた。 「ねえ?何食べる?」 俺は現実を疑った。 急ぐように出ていく彼女。 慌てて追いかける俺。 そして告げられた突然の別れ。 それから数日 俺はバカにされたように 腹が立って仕方が…