画像出典:meetingbook 妻のふとした後ろ姿や仕草に、一瞬ではありますが亡き母の面影を見ることがこの頃多くなりました。わたしは、懐かしい気もちとぎょっとする驚きが混じった名状し難い感情に襲われる。 妻が若い時には、決して見ることもなかったことです。 わたしは、その一瞬に奇妙な混乱をして、本当に母がそこにいるのではないかと思ったりします。もとよりそんな筈はありません。一体何に母の姿を見たのであろうか。 母は、痩せていて、顔中に大きな深い皺を刻んで、半生の厳しい人生を感じさせるに十分な人でした。また、晩年の丸くなった背に、人の一生の悲哀を感じて、無残に送ってきた父との人生を思い浮かべること…