1873〜1949。京都の浄土真宗;仏光寺の絵師の家柄に生まれる。『滝口入道』の高山樗牛と共に『帝国文学』を創刊、ドイツ・ベルリンで4年間の留学中にドイッセンとオルデンベルヒに学び、パーリ語経典と漢訳阿含の比較対照に基づく「根本仏教」を提唱した日本宗教学の祖。大親友の高山樗牛に感化されて姉崎自身も樗牛の喀血死後、国柱会に接近、この国柱会の主宰者;田中智学に教えを乞う。そして東大の宗教学講座の初代担任教授となる。
いつもみなさん、ありがとうございます。 今回は比叡山修学時代の日蓮が、横川の俊範に師事していたことについてです。今回はジッリオ・エマヌエーレ・ダヴィデの論文『俊範の教説と日蓮への影響について』(日本仏教総合研究13号、2015年)の内容から、自分の思うところも含めて書いてみたいと思います。 日蓮は比叡山で修学時代、恵心流の流れに属していたようで、事実『守護国家論』でも恵心僧都源信は念仏者ですが、肯定的に評価されています。 日蓮は恵心流に属する横川の俊範に師事していた説があり、姉崎正治氏も著作『法華経の行者日蓮』において、俊範に師事していた説を採っています(姉崎正治『法華経の行者日蓮』78ページ…
序文・GHQによる政教分離 堀口尚次 神道指令は、昭和20年12月15日に連合国軍最高司令官総司令部〈GHQ〉が日本政府に対して発した覚書「国家神道、神社神道ニ対スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件」の通称である。覚書は信教の自由の確立と軍国主義の排除、国家神道を廃止、神祇院を解体し政教分離を果たすために出されたものである。これにより公的機関による神社への支援、資金援助が禁止され、「大東亜戦争」や「八紘一宇」など、国家神道、軍国主義的・超国家主義的とされる用語の公文書における使用も禁止された。国教分離指令とも。 米国政府は連合国総司令部に対する降伏後における初期の基本的命令…
「自律」をめぐる模索 吉田熊次の疑問 「みんな違ってみんないい」のか? etsushi.hatenablog.com etsushi.hatenablog.com ※①②のつづき 「みんな違ってみんないい」のか? posted with ヨメレバ 山口 裕之 筑摩書房 2022年07月07日頃 楽天ブックス 楽天kobo Amazon Kindle 「自律」をめぐる模索 明治とは、江戸時代までの封建国家・制度から脱却し、「自主自由の権」を個人が手にしていく時代である。そうした流れにおいて、思考や行動の基準・法則を他者に委ねるのではなく、自分で決めるという「自律」という概念が広まっていくのは当然…
昨年の12月11日に天理大学において宗教学科研究会が開催されました。私は宗教学や天理教学といった分野とはほぼ無縁の者ですが参加させていただきました。このような機会を設けていただきありがたく思います。研究会で東京大学の渡辺優先生の発表を聞かせていただいて、天理教学でもこのような議論があるのだなと感銘を受けたのですが、そのちょうど一月経った後くらいからふつふつと違和感のようなものを感じてきました。その時に考えたことをあらためて今回記事にしてみたいと思います。 研究会からけっこう時間も経ってしまったので正確さを欠く要約になりますが、渡辺先生の発表はおもに「原典」というものが纏め上げられる背景には日本…
一条真也です。24日の夜、日帰りで東京から帰ってきました。今回の東京出張の目的は、豊島区の西巣鴨にある大正大学で全互協の第1回公開講座に立ち合うことでした。 雨の大正大学の正門 大正大学は、1885年に創立され、1926年に大学が設置されました。高楠順次郎、姉崎正治、前田慧雲、村上専精、澤柳政太郎らが仏教連合大学構想を提唱したことに始まります。これに天台宗、真言宗豊山派、浄土宗の各宗が賛同し、天台宗大学、豊山大学、宗教大学が合併して発足しました。後に真言宗智山派、2018年には時宗が参画し、天台宗、真言宗智山派、真言宗豊山派、浄土宗の四宗五派の連合大学となりました。天台宗と最澄教学を専門的に研…
「社会文学」第56号 表紙 「ワグネルの思想」から「止揚」へ ―啄木・嘲風・幾多郎の思想の淵源― 山田武秋(国際啄木学会理事) 目次一 はじめに二 啄木「ワグネルの思想」の意味三 姉崎正治の訳語だった「止揚」四 止揚が多用されるようになった理由五 「ワグネルの思想」の系譜が世界の未来を創る 「ワグネルの思想」から「止揚」へ ー啄木・嘲風・幾多郎の思想の淵源ー 山田武秋(国際啄木学会理事) 2021年11月6日に宮城県大崎市の吉野作造記念館で「東北の民主主義の源流ー石川啄木・吉野作造・徳永直を中心に」をテーマに開催された、日本社会文学会の2021年度秋季大会におけるシンポジウムで発表されたものを…
・ マーフィ サミュエル・ベケット 著 ; 三輪秀彦 訳 昭45 早川書房 ¥1,000 ・ アクセルの城 <筑摩叢書> エドマンド・ウィルソン 著 ; 土岐恒二 訳 1972 筑摩書房 ¥1,000 ・ 詩 評論 小品 サミュエル・ベケット 著 ; 高橋康也 等訳 1972 白水社 ¥2,000 ・ 粧蝶集 泉鏡花 大9 春陽堂 ¥20,000 ・ 鏡花文学 日夏耿之介 昭63 研文社 ¥4,000 ・ 鹿島茂の書評大全 洋物篇 鹿島茂 著 2007 毎日新聞社 ¥1,500 ・ 丸谷才一全集 第1巻 丸谷才一 著 ; 池澤夏樹 2013 文芸春秋 ¥2,500 ・ アイスランドサガ 谷口幸…
岡崎のブックス・ヘリングで入手した冊子『教化問題並に悪思想防止策:文部大臣に建言書の写』(皇道普及会事務所、昭和4年4月)については、「大連にあった皇道普及会の会長大石萬壽ーー昭和4年日本の古典神典を翻訳して猶太民族に配れと文部大臣に提言ーー - 神保町系オタオタ日記」で紹介した。今回紹介する『会員名簿』(大正一切経刊行会、昭和6年)も、ヘリングで小冊子群を一括1,000円で売っていただいた中の1冊である。ありがとうございます。大正13年から昭和9年にかけて刊行された100巻の『大正新脩大蔵経』の予約者名簿(昭和6年4月現在)と思われる。地域別(道府県、朝鮮、台湾、満洲・関東州、支那)、龍谷大…