●歌は、「夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋はくるしきものぞ」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(70)(大伴坂上郎女) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(70)である。 ●歌をみていこう。 ◆夏野之 繁見丹開有 姫由理乃 不所知戀者 苦物曽 (大伴坂上郎女 巻八 一五〇〇) ≪書き下し≫夏の野の茂(しげ)みに咲ける姫(ひめ)百合(ゆり)の知らえぬ恋は苦しきものぞ (訳)夏の野の草むらにひっそりと咲いている姫百合、それが人に気づかれないように、あの人に知ってもらえない恋は、苦しいものです。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より) 題詞は、「大伴坂上郎女歌一首」<大伴坂上…