私は右の股関節が悪い。 整体へ行くたびに、 先生は同じことを言う。 「かなり強い衝撃を受けていますね。」 「事故とかありませんでした?」 事故。 そう言われるたびに、 私は少し考える。 そして答える。 「事故レベルなら、心当たりあります。」 先生は少し身構える。 「交通事故ですか?」 私は首を振る。 「自転車です。」 子どもの頃、 私は自転車が大好きだった。 ただ普通に乗るのではない。 思い切りこいで、 坂道を全力で下る。 そして最後は、 人間放物線。 今思えば、 何をやっていたんだろう。 でも当時は、 それが最高に楽しかった。 当然、 転ぶ。 自転車も壊れる。 最初の頃こそ、 両親は 「足、…