犬を連れて用水のほとりを歩いていた。 綺麗な水が輝きながらゴウゴウと流れる。そこは夏でも木陰がある。その上を渡る風は、いつも別世界だった。風に色があるならば、それは青と緑を溶かしたものに違いない。 四人の家族ずれがそこに少し群らがっていた。溺れたのか? 速足で近づく。 いや違う。困り果てた顔で、お父さんがかがんで流水で靴を洗っていたのだった。小さな女の子が体育座りで用水の端に座っている。素足だった。 「泥で汚れて……。あの、この辺りに子ども靴を売っている店はないですか?」 「ああ、ここから車で十五分。ショッピングセンターに靴屋がありますよ」 「まったく、おてんばで……」 お母さんはホッとしたよ…