1995年9月15日第1刷発行 2019年5月8日第44刷発行 裏表紙「中原の小国鄭は、超大国晋と楚の間で、絶えず翻弄されていた。鄭宮室の絶世の美少女夏姫は、兄の妖艶な恋人であったが、孤立を恐れた鄭公によって、陳の公族に嫁がされた。『力』が全てを制した争乱の世、妖しい美女夏姫を渇望した男たちは次々と…。壮大なスケールの中国ロマン、直木賞受賞作。全二巻。」 夏姫(かき)の生国は鄭である。父は蘭といい、彼女が生まれて2,3年日に鄭の君主(穆公)となったので、夏姫は鄭の公女である。母は姚子という。鄭は中国の中心に位置し、交通の要地であるため、貴人も庶民も人慣れし、いちはやく合理と進運が芽生えた。文化…