現在の高校の現場には、学習障害(LD)の診断のある生徒や疑われる生徒が多く存在している。学習障害(LD)について、岩波明『発達障害の子どもたちは世界をどうみているのか』(SB新書2023)によって概要をまとめておく。 学習障害は、Learning Disorders あるいはLearning Disabilities の訳であり、LDと略していわれることが多い。文部科学省の定義では、「全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの能力と使用に著しい困難を示す、さまざきな障害」とされる。したがって、概念上、特別支援学校には学習障害(LD)は存在しないことになるが…