作家。官能小説家。嵯峨島昭(さがしまあきら)のペンネームで推理小説も執筆した。 1934年(昭和9年)7月25日生まれ。北海道札幌市出身。本名は鵜野廣澄。東京大学文学部卒業。 1961年、博士課程在学中に『文學界』に発表した小説「鯨神」が第46回芥川賞を受賞。 その後、女性主人公の一人称による告白文体の官能小説で一時代を築いた。
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宇能鴻一郎が好きすぎる件について語りたいのですが、宇能鴻一郎って最近再ブームになってますか?なんとなく読みたくなって検索してみたらkindleで購入できる本がめちゃくちゃ増えていました。本日購入したのは「姫君を喰う話 -宇能鴻一郎傑作短編集-」。芥川賞受賞の「鯨神」が掲載されているらしく、常々「鯨神」を読んでみたいと思っていたので、購入してしまいました。昨日の記事でお金がないって言ってたのに本を買ってしまう…自分で自分が止められない。 最初に掲載されているのが「姫君を喰う話」なのですが、これがまた文章がすごすぎて一気に2回読みました。私が目指すのはこの文章なの!と喉から手が出る勢いで読みました…
陰暦十月廿七日。気温摂氏6.5/18.5度。晴。晩に雨(4.5mm)。 宇能鴻一郎『甘美な牢獄』(烏林書林)私立図書館から借りて読む。 この記事を読んで久ヶ原T君と宇能鴻一郎の凄さをあらためて驚いた。官能小説の大家、宇能先生の本が図書館にあるのは、これがシリーズ「日本語の醍醐味」⑩だからで安吾、士郎、光晴や吉行、太宰に続き最終巻が宇能鴻一郎だから。「谷崎文学の正当な後継」(七北数人)。昭和37年に「鯨神」で芥川賞受賞した宇能先生の昭和41年から46年まで小説雑誌に発表された短編8本を収録。この本のタイトルにもなつた「甘美な監獄」は筒井康隆が昭和44年に編集したアンソロジー『異形の白昼』にも収録…
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『文藝春秋』恒例の芥川賞受賞作品掲載号。併せて創刊百年とのことで、特集読物が数篇並ぶなかに、宇能鴻一郎『芥川賞・ポルノ・死』がある。 作家志望のお若いかたに「講義」と称してお喋りしていた時代に、こんなふうに申したことがある。 ――諸君は宇能鴻一郎をお読みでしょうか。そう、スポーツ紙や夕刊紙の隅に、毎日連載されてるポルノです。「課長ったら、いけないんです」「あっ、こんなところで、そんなこと……」「だのに、あたしったらなんだか、ジュン、としちゃって……」 ――あんな文章なら、俺にだって書ける、なんぞと思ってはいませんか? 一週間代筆であれば、なるほど諸君にも書けるかもしれませんね。しかし彼はあのス…
人を喰わなかった話 ある理由から大岡昇平の「野火」(こちらも後日感想を書く予定で現在読書中)を読もうと思い、吉祥寺に行った。最初はBOOK OFFで買おうと思っていたのだが、そもそも100円コーナーにあったら買おうと思って本棚を見たがなかった。レギュラー棚(?)の方にはあったが、かなり古い本で活字が小さく読みづらいのが気になったので、ブックスルーエに行って新品を買うことにした。 新潮文庫のコーナーのあいうえお順に並んでいる著者の「お」の辺りを探して見ると、ちゃんと「野火」は売っていた。数年前に映画化もされているので増刷があったのかも知れない。棚から引っ張り出してレジにもって行こうとしてふと平積…
ここ何日か最低気温が20度を上回っていまして、このようなことは初めてで あります。涼しさが売り物の当地でありますが、今年は軽井沢よりも暑くなっ ていそうです。 とはいってもオリンピックの競技が行われている近くのまちよりは5度以上は 気温が低いようです。盛夏の東京でマラソン競技とは何を考えているのかという ことで、すずしい北海道のまちで開催することにしたというのに、なんという 皮肉でありますか、いつもの東京よりも暑いくらいでして、選手は大丈夫である のか。そうこういっていても、あと何日かで前半の大会はおしまいで、このあと もう一つの大会が待っていますが、どうなりますでしょうね。 宇能鴻一郎さんの…
今月の文庫本新刊で一番の話題となるであろうものは、新潮文庫「姫君を 喰う話」でありますね。著者は宇能鴻一郎さんであります。 坪内祐三さんの「文庫本を狙え!」が続いておりましたら、間違いなく取り 上げられましたでしょう。 宇能鴻一郎さんは、その昔は大ベストセラー作家でありましたが、若い頃に に芥川賞を受けられて、相当に期待されたはずですが、その後の歩みはそうし た期待を裏切るようなものであったようです。 当時でありますから、ほとんど転向作家(といっても戦前左翼だった人が 右翼に転じるというのではなく)のような形で、学究肌の純文学作家がエロ小 説作家に成り下がってしまったという受け止められていまし…
宇能鴻一郎の著作を2冊読んだ 宇能鴻一郎といえばいわゆる「官能小説家」という認識をしていたし、官能小説に興味が無いオレにとってはこの先読むことの無い作家だろうと思っていた。正直に言えば、今からすれば大変失礼だけれども、「単なるエロ小説家」程度に見ていた。しかし以前、どこかのウェブサイトでたまたま彼のインタビューを読み、その思いもよらぬ人間的魅力に感嘆してしまったのだ。オレは思った、「このおっさん、面白過ぎる……」と。 どう面白いのか、それはエピソード満載のインタビューを読んでもらうことにして、なにしろオレの「宇能鴻一郎=官能小説家」という固定観念が全て覆されてしまったのだ。いや、確かに優れた官…
先日学生さんと話をしてて「烏有書林全点フェアをしてくれた奇特な書店員さんがいる」という話になった。で家に帰ってから当時(2019年8月)の資料を発掘して読んだところ、そのとき書いた文章がけっこうイケてるんじゃないか(自画自賛)、烏有書林の本づくりに対する考えというか態度についてとても分かりやすいものになってるんじゃないかと思えたので、転載してみます。まずはその奇特な書店員・花本武さん(フェア当時は吉祥寺のブックス・ルーエ、現在は西荻窪の今野書店勤務)のフェア告知文。 「烏有書林、上田宙が厳選! ~私が作った本、私を作った本~」出版社、烏有書林がつくる本に陶然とする文学愛好の士は多いはずです。文…
扶桑社ミステリー『チベットの薔薇』解説が挙げていた本。『チベットの薔薇』のヒロインは雲南漢族の化身ラマで、チベットの創世神話の羅刹女の生まれ変わりなので、毎年祭礼の時期には、創世神話でつがう猿が憑依した僧侶とセックルするのですが、そこが本書のヒロインの設定に似ている箇所もあるということみたいです。 神の座 ゴサインタン (文春文庫) 作者:篠田 節子 文藝春秋 Amazon books.bunshun.jp 歩かずに行く 8,000m峰五座大展望|西遊旅行の添乗員同行ツアー(146号) 14座ある8,000m峰の中で、完全に中国領内(チベット)にある唯一の山。チベット語で「牛も羊も死に絶えて、…
11月10日木曜日。 昼、新町のローソンでつやつやの肉まんを買う。パサージュ広場の木を囲むベンチに座り新町通りを眺めつつ食べた。市民図書館の7階へ。新着本のコーナーで『甘美な牢獄 / 宇能鴻一郎』を手に取る。官能、と自ら謳ってるようなものからはエロスを感じない。橋の下から見る鉄骨のほうが。『死者の贈り物 ひとはなぜ本を読むか / ダニエル・サルナーヴ 著 菊池昌実・白井成雄 訳』(法政大学出版 叢書ウニベルシタス)借りる。 18時頃終える。郵便局の前で弟と落ち合い大戸屋へ。鶏ごぼう生姜ごはんがとてもおいしい。20時半頃帰宅。荷造りの続き。
出版協、文科省の「拉致問題に関する図書の充実に係る協力要請」に抗議 https://www.shinbunka.co.jp/news2022/10/221004-02.htm KADOKAWA、東京五輪汚職問題で記者会見 ニコニコ生放送で配信 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2210/05/news115.html 「教養文庫コラボフェア(旧チチカカコヘ)」、注文受付中 https://www.shinbunka.co.jp/news2022/10/221005-02.htm 3万冊超の電子書籍が50%ポイント還元! AmazonでKindle本…
東京地検、KADOKAWAの芳原・馬庭容疑者を起訴 https://www.shinbunka.co.jp/news2022/09/220928-01.htm kindle版を買ったら画像が黒塗りされてた https://idle.srad.jp/story/22/09/26/1535231/ トップカルチャー「蔦屋書店 佐久平店」、楽天ポイントカード利用可能に https://www.shinbunka.co.jp/news2022/09/220928-02.htm “Web3本”著者の団体「DeFi協会」が解散 https://www.itmedia.co.jp/news/articles…
1970年徳間書店刊行。 切腹願望 美女降霊ズロース挽歌分桃会性司祭わが初恋の阿部お定リンペディオンの呪い ボクが初めて宇能鴻一郎を読んだのは男子高校生の頃なんです。それから20世紀末になり、早稲田の古書店でこの宇能鴻一郎の「切腹願望」が売られていたので買ってみたんです。懐かしさを覚えながらも読んでみたら傑作揃いの短編集だったんです。宇能鴻一郎はおじさまが読む週刊誌やスポーツ新聞の連載以外では注目されることもない作家ですけど、青春の甘酸っぱい思い出としていまだにとても印象が残るんです。 宇能鴻一郎×近藤サト「官能がなければ人生はつまらない。〈書かずに読者に想像させる〉美意識に15歳から憧れて」…
2022年8月発売、「シリーズ 日本語の醍醐味」の新刊を紹介します。 甘美な牢獄 ──シリーズ 日本語の醍醐味(10) 宇能鴻一郎「人間である最後の夜に、わたしはこの手紙を書きます。」(「甘美な牢獄」より) やむにやまれず暗い官能の洞窟へおちこんでいった者たちの、圧倒的なエロスの世界が、いま甦る。稀代の物語作家が描く「この世の地獄」は、煌びやかで残酷な夢想のユートピアであった。 芥川賞を受賞して華々しく文壇に登場した宇能鴻一郎は、1960年代から70年代前半にかけて、濃密な文体で性の深淵をえぐる作品集を40冊余り刊行した。しかし先鋭的すぎたためか当時の文壇ではほとんど無視され、著作も軒並み絶版…