作家。官能小説家。嵯峨島昭(さがしまあきら)のペンネームで推理小説も執筆した。 1934年(昭和9年)7月25日生まれ。北海道札幌市出身。本名は鵜野廣澄。東京大学文学部卒業。 1961年、博士課程在学中に『文學界』に発表した小説「鯨神」が第46回芥川賞を受賞。 その後、女性主人公の一人称による告白文体の官能小説で一時代を築いた。
amazon:宇能鴻一郎
本日に作家の宇能鴻一郎さんが亡くなったとの報道がありました。 当方が学生時代には宇能さんは、すでに人気作家となってたくさんの作品を 発表していたのですが、そのせいもあってか、宇能さんの初期の作品はほとんど 目にすることが出来ずでありました。 ただただ宇能さんの芥川賞を受けた「鯨神」の古書価が高いということだけ が聞こえてくるだけでありました。 この場で話題にしたものでは、2016年にありましたです。 vzf12576.hatenablog.com 2011年の平松洋子さんの「野蛮な読書」を、この頃に入手、そこで「宇能鴻一郎 私論」というのがあって、これに驚いたことです。 宇能さんの熱心なファン…
全然知らない方ではあるのですが、なんかこう・・・浮世離れした、本当に存在しているのか?・・・・・・と思っていた方が亡くなったと(存在していたのね)。 夜な夜な「舞踏会を催しているんですよ」とかおっしゃってましたが、・・・・・・妄想じゃなくてガチじゃん(しかも似合う。演出とはいえ。 これだけ読みました。おもしろかった。 姫君を喰う話 宇能鴻一郎傑作短編集 (新潮文庫) 作者:宇能 鴻一郎 新潮社 Amazon この感じ、映画にしたらすごくいいんじゃないでしょうか。知らんけど。
内容(amazonより引用) 東京大学大学院在学中に「鯨神」で芥川賞を受賞する。日本の古典に精通した教養と強靭な感性、きらめく文才で次々と作品を発表。のちに、膨大なポルノ小説を執筆、このジャンルの巨匠として一世を風靡した……。本書に収録したのは、谷崎潤一郎の世界にも通じる官能的感性と深い知性が、秀抜な文章によって融合した名編ばかりである。煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣の男が語り出した話とは……典雅きわまる戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚が意外な結末を呼ぶ「花魁小桜の足」、村に現れた女祈禱師が引き起こす異様な事件「西洋祈りの女…
夜になってウトウトとしていましたら、雪が降っておりました。 野暮用から帰ってきたときには、路面は乾いていたのですが、それから数時間 で道路は真っ白になっていました。せっかく数日前にどろんこになった車を洗っ たのに、これでまたどろどろになるのか。 積雪は少ないのでありますが、夜のうちに除雪してしまわなくてはと、身支度 をして外にでることにです。積もったのは2センチくらいとのことで、30分ほど作 業をしましたら、終えることができました。 その時間には雪はやんでいて、空には月が見えました。月夜の散歩ならぬ、 月夜の除雪であることで。 これで明日は、早朝に除雪はしなくてもよろしでしょう。 夜のうちに除…
この歳になってようやく人に言えることがいくつかあります。人と会う機会が極端に少ない生活を送っているので面と向かって話すのではありませんが、こうやってネット上で記事にようやく書けるようになったことがあるのです。 とはいえ、やっぱり恥ずかしいので間接的にお話ししますね。 〇 始業式兼対面式の翌日、中嶋慶太は早めに学校に着いた。 校内は、しーんとしている。朝の練習のために登校したらしい、運動部かブラスバンドに属していると思われる生徒たちの姿がときどき目につくくらいだ。 勝手が分からない一年生に見られないように平静を装い、慶太は足早に校舎内を歩き回った。建物の各階を手際よくチェックしなければならない。…
宇能鴻一郎が好きすぎる件について語りたいのですが、宇能鴻一郎って最近再ブームになってますか?なんとなく読みたくなって検索してみたらkindleで購入できる本がめちゃくちゃ増えていました。本日購入したのは「姫君を喰う話 -宇能鴻一郎傑作短編集-」。芥川賞受賞の「鯨神」が掲載されているらしく、常々「鯨神」を読んでみたいと思っていたので、購入してしまいました。昨日の記事でお金がないって言ってたのに本を買ってしまう…自分で自分が止められない。 最初に掲載されているのが「姫君を喰う話」なのですが、これがまた文章がすごすぎて一気に2回読みました。私が目指すのはこの文章なの!と喉から手が出る勢いで読みました…
陰暦十月廿七日。気温摂氏6.5/18.5度。晴。晩に雨(4.5mm)。 宇能鴻一郎『甘美な牢獄』(烏林書林)私立図書館から借りて読む。 この記事を読んで久ヶ原T君と宇能鴻一郎の凄さをあらためて驚いた。官能小説の大家、宇能先生の本が図書館にあるのは、これがシリーズ「日本語の醍醐味」⑩だからで安吾、士郎、光晴や吉行、太宰に続き最終巻が宇能鴻一郎だから。「谷崎文学の正当な後継」(七北数人)。昭和37年に「鯨神」で芥川賞受賞した宇能先生の昭和41年から46年まで小説雑誌に発表された短編8本を収録。この本のタイトルにもなつた「甘美な監獄」は筒井康隆が昭和44年に編集したアンソロジー『異形の白昼』にも収録…
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『文藝春秋』恒例の芥川賞受賞作品掲載号。併せて創刊百年とのことで、特集読物が数篇並ぶなかに、宇能鴻一郎『芥川賞・ポルノ・死』がある。 作家志望のお若いかたに「講義」と称してお喋りしていた時代に、こんなふうに申したことがある。 ――諸君は宇能鴻一郎をお読みでしょうか。そう、スポーツ紙や夕刊紙の隅に、毎日連載されてるポルノです。「課長ったら、いけないんです」「あっ、こんなところで、そんなこと……」「だのに、あたしったらなんだか、ジュン、としちゃって……」 ――あんな文章なら、俺にだって書ける、なんぞと思ってはいませんか? 一週間代筆であれば、なるほど諸君にも書けるかもしれませんね。しかし彼はあのス…
人を喰わなかった話 ある理由から大岡昇平の「野火」(こちらも後日感想を書く予定で現在読書中)を読もうと思い、吉祥寺に行った。最初はBOOK OFFで買おうと思っていたのだが、そもそも100円コーナーにあったら買おうと思って本棚を見たがなかった。レギュラー棚(?)の方にはあったが、かなり古い本で活字が小さく読みづらいのが気になったので、ブックスルーエに行って新品を買うことにした。 新潮文庫のコーナーのあいうえお順に並んでいる著者の「お」の辺りを探して見ると、ちゃんと「野火」は売っていた。数年前に映画化もされているので増刷があったのかも知れない。棚から引っ張り出してレジにもって行こうとしてふと平積…
2024年8月28日、作家の宇能鴻一郎が心不全のため逝去.90歳.ついに亡くなられたか、というより、まだご存命だったのか、というのが正直なところ.Wikipediaには、1990年代半ば以降佳作化したとある.1985年に川上宗薫が亡くなられたこともあり、漠然と「宇能鴻一郎も亡くなられたのかな」と思っていたのだろう.この人の著書を購入したことはない.というより、書籍で読んだことはない.が、小学校の高学年から中学生のみぎり、スポーツ新聞や(大人の)男性向け週刊誌、月刊誌には大概この人の作品が掲載されていた.それらを盗み見ては夢中で読んだ記憶がある.自分と同世代の男性に共通する記憶ではないだろうか.…
『読売新聞』の記事; 芥川賞作家の宇能鴻一郎さん死去、90歳…官能小説や食に関するエッセーも 9/10(火) 11:41配信 読売新聞オンライン 芥川賞を受賞し、官能小説でも人気を博した作家の宇能鴻一郎(うの・こういちろう、本名・鵜野広澄=うの・ひろずみ)さん*1が8月28日、心不全で死去した。90歳だった。告別式は近親者で済ませた。 札幌市生まれ。東大大学院在学中の1961年に「光りの飢え」が芥川賞候補となり、翌62年、漁村の鯨捕りなどを土俗的に描いた「鯨神(くじらがみ)」で芥川賞を受賞。野性的なエネルギーに満ちた作風は、文壇小説の枠を破る才能と評価された。70年代からは「女ざかり」など官能…
news.yahoo.co.jp simmel20.hatenablog.com simmel20.hatenablog.com▼ところで、巻末写真頁に「グラビア文学館・官能編」がある。今回はその第5回だそうで、宇能鴻一郎さんの小説『水泳教室』を写真で再現したとのこと、撮影・西田幸樹さん、主演のモデルが野乃さん。これがすばらしい。とくに野乃さんの白い肢体はまぶしく輝いている、感嘆そして堪能。 作家の宇能鴻一郎氏には、昔一度だけお目にかかったことがある。「鯨神」で芥川賞を受賞し、まだ東京大学大学院博士課程に在学中のころで、文京区(現)千駄木の下宿に住んでいた。こちらは高校生で、道灌山下から(現)…
(8/2)ひとまず100点選書。第一弾の選書なので推薦本には頼らず。蔵書とアマゾンのブックリスト、これまでの読書経験と知識を駆使して、読みたい本を直感で選んだ。 今のところ順番はランダムだ。3500の選書リストが完成するまでには適切な分類法を見つけようと思う。その際、選書やリスト作成におけるルールも付記する(表紙画像は載せない、アマゾンや出版社ページへのリンクは貼らない等)。 (8/3)200点選書。 (8/4)300点選書。 (8/5)400点選書。そろそろ分類しないとね。日本十進分類法を参考にする予定。 (8/9)500点選書。 (8/10)600点選書。 (8/11)700点選書。 (8…
芥川賞を受賞したという「鯨神」を含む宇能鴻一郎の短編集を読んでみたところ、「エロいよ」という一般的イメージのさらに上を行くといいますか、頭のいい人がエロとは何かを考え抜いている感じがするといいますか、一部登場人物がエロい変態というよりはもはや怪人の域にまでイっている感じがいたしましてかんたんしました。 昭和30年代からこんな話を書いていたなんて、当時の読者はさぞ衝撃を受けたことでありましょう。 www.shinchosha.co.jp 煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣席の男が語り出した話とは……戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚…
2015年12月号掲載 毎日新聞夕刊編集部編集委員(当時)/藤原章生 先日、作家の加賀乙彦さんにインタビューした。事前に長編作品「宣告」やエッセイ集、自伝を読み、感銘を受けたが、昭和4年(1929年)4月生まれという経歴に興味を抱いた。私の父と同じだからだ。これまで、昭和4年生まれの人たちに何人か会ってきた。その都度、幼少期から戦後にかけての社会の風景や当時の気持ちをたずねてきたのは、仕事もあるが、やはり2004年11月に死んだ父のことを理解したいという思いもあった。ご同輩として、どう思われますかと。 3時間のインタビューの最後の最後に昭和4年生まれについて加賀さんに「非常に複雑な世代ですよね…