作家。官能小説家。嵯峨島昭(さがしまあきら)のペンネームで推理小説も執筆した。 1934年(昭和9年)7月25日生まれ。北海道札幌市出身。本名は鵜野廣澄。東京大学文学部卒業。 1961年、博士課程在学中に『文學界』に発表した小説「鯨神」が第46回芥川賞を受賞。 その後、女性主人公の一人称による告白文体の官能小説で一時代を築いた。
amazon:宇能鴻一郎
最近、良く、プログラムコードやビジネス文書、学生論文、ブログの記事始め、小説まで生成AIに書かせているという話を聞きます。 調べ物など、Google検索するよりChatGPTやGrokなど手近なAIを使えば、その真偽の程は別として、一応きれいに整理され文章化された情報が手に入ります。 すごい時代になってきたなあ、と思いつつも、小説なんかは創作慣れしていない素人レベルのユーザーでもうまくいくのだろうか、と遅れ馳せながら試してみることにしました。 まずは、ラノベを書いてもらうための設定プロンプト(AIへの指示文)です。 慣れない事なので言葉を適切に使えているかどうか自信がありませんが、取り敢えず当…
アルマジロの手:宇能鴻一郎傑作短編集 (新潮文庫 う 28-2) 作者:宇能 鴻一郎 新潮社 Amazon 『アルマジロの手-宇能鴻一郎傑作短編集』宇能鴻一郎著を読む。いやあ、こってりがてんこ盛りで、読んだ後、パンシロンを服用した。食欲、性欲に貪欲、つまり、生きることに貪欲な人物たち。「ワイルドだろ」というギャグが流行ったが、野生的、もしくは野性的。ウノコー先生の作品を、皿まで舐めるようにエンジョイした。 以下、各篇を紹介。 『アルマジロの手』まずはアルマジロのうんちく。作家である「私」はメキシコに入る直前、カメラマンの加納と落ち合う。彼は取材旅行の同行カメラマン。以前、薄気味悪い日本の僧侶の…
姫君を喰う話―宇能鴻一郎傑作短編集―(新潮文庫) 作者:宇能鴻一郎 新潮社 Amazon 『姫君を喰う話-宇能鴻一郎傑作短編集』宇能鴻一郎著を読む。 宇能鴻一郎が亡くなった。ウノコー先生といえば、「あたし、〇〇なんです」など女性のモノローグで綴った、独特のウノコー文体でエロティシズムを表現、一世を風靡した。『むちむちぷりん』や『濡れて立つ』などタイトルも秀逸だった。 とはいえ、芥川賞受賞作家。ただのエロ小説作家ではなかった。谷崎潤一郎を筆頭に、性の描写がうまい作家は食の描写もうまい。逆か。と、本作を読んで感じ入る。以下、4篇をささっと紹介。 『姫君を喰う話』評判のモツ焼き屋でレシピを堪能する「…
本日に作家の宇能鴻一郎さんが亡くなったとの報道がありました。 当方が学生時代には宇能さんは、すでに人気作家となってたくさんの作品を 発表していたのですが、そのせいもあってか、宇能さんの初期の作品はほとんど 目にすることが出来ずでありました。 ただただ宇能さんの芥川賞を受けた「鯨神」の古書価が高いということだけ が聞こえてくるだけでありました。 この場で話題にしたものでは、2016年にありましたです。 vzf12576.hatenablog.com 2011年の平松洋子さんの「野蛮な読書」を、この頃に入手、そこで「宇能鴻一郎 私論」というのがあって、これに驚いたことです。 宇能さんの熱心なファン…
全然知らない方ではあるのですが、なんかこう・・・浮世離れした、本当に存在しているのか?・・・・・・と思っていた方が亡くなったと(存在していたのね)。 夜な夜な「舞踏会を催しているんですよ」とかおっしゃってましたが、・・・・・・妄想じゃなくてガチじゃん(しかも似合う。演出とはいえ。 これだけ読みました。おもしろかった。 姫君を喰う話 宇能鴻一郎傑作短編集 (新潮文庫) 作者:宇能 鴻一郎 新潮社 Amazon この感じ、映画にしたらすごくいいんじゃないでしょうか。知らんけど。
内容(amazonより引用) 東京大学大学院在学中に「鯨神」で芥川賞を受賞する。日本の古典に精通した教養と強靭な感性、きらめく文才で次々と作品を発表。のちに、膨大なポルノ小説を執筆、このジャンルの巨匠として一世を風靡した……。本書に収録したのは、谷崎潤一郎の世界にも通じる官能的感性と深い知性が、秀抜な文章によって融合した名編ばかりである。煙と客が充満するモツ焼き屋で、隣の男が語り出した話とは……典雅きわまる戦慄の表題作。巨鯨と人間の命のやりとりを神話にまで高めた芥川賞受賞作「鯨神」、すらりとした小麦色の脚が意外な結末を呼ぶ「花魁小桜の足」、村に現れた女祈禱師が引き起こす異様な事件「西洋祈りの女…
夜になってウトウトとしていましたら、雪が降っておりました。 野暮用から帰ってきたときには、路面は乾いていたのですが、それから数時間 で道路は真っ白になっていました。せっかく数日前にどろんこになった車を洗っ たのに、これでまたどろどろになるのか。 積雪は少ないのでありますが、夜のうちに除雪してしまわなくてはと、身支度 をして外にでることにです。積もったのは2センチくらいとのことで、30分ほど作 業をしましたら、終えることができました。 その時間には雪はやんでいて、空には月が見えました。月夜の散歩ならぬ、 月夜の除雪であることで。 これで明日は、早朝に除雪はしなくてもよろしでしょう。 夜のうちに除…
この歳になってようやく人に言えることがいくつかあります。人と会う機会が極端に少ない生活を送っているので面と向かって話すのではありませんが、こうやってネット上で記事にようやく書けるようになったことがあるのです。 とはいえ、やっぱり恥ずかしいので間接的にお話ししますね。 〇 始業式兼対面式の翌日、中嶋慶太は早めに学校に着いた。 校内は、しーんとしている。朝の練習のために登校したらしい、運動部かブラスバンドに属していると思われる生徒たちの姿がときどき目につくくらいだ。 勝手が分からない一年生に見られないように平静を装い、慶太は足早に校舎内を歩き回った。建物の各階を手際よくチェックしなければならない。…
宇能鴻一郎が好きすぎる件について語りたいのですが、宇能鴻一郎って最近再ブームになってますか?なんとなく読みたくなって検索してみたらkindleで購入できる本がめちゃくちゃ増えていました。本日購入したのは「姫君を喰う話 -宇能鴻一郎傑作短編集-」。芥川賞受賞の「鯨神」が掲載されているらしく、常々「鯨神」を読んでみたいと思っていたので、購入してしまいました。昨日の記事でお金がないって言ってたのに本を買ってしまう…自分で自分が止められない。 最初に掲載されているのが「姫君を喰う話」なのですが、これがまた文章がすごすぎて一気に2回読みました。私が目指すのはこの文章なの!と喉から手が出る勢いで読みました…
陰暦十月廿七日。気温摂氏6.5/18.5度。晴。晩に雨(4.5mm)。 宇能鴻一郎『甘美な牢獄』(烏林書林)私立図書館から借りて読む。 この記事を読んで久ヶ原T君と宇能鴻一郎の凄さをあらためて驚いた。官能小説の大家、宇能先生の本が図書館にあるのは、これがシリーズ「日本語の醍醐味」⑩だからで安吾、士郎、光晴や吉行、太宰に続き最終巻が宇能鴻一郎だから。「谷崎文学の正当な後継」(七北数人)。昭和37年に「鯨神」で芥川賞受賞した宇能先生の昭和41年から46年まで小説雑誌に発表された短編8本を収録。この本のタイトルにもなつた「甘美な監獄」は筒井康隆が昭和44年に編集したアンソロジー『異形の白昼』にも収録…