「アームチェア・ディテクティヴ(Armchair Detective)」の和訳で、推理小説の形式の一。 主に、自ら事件現場に赴かずに、手元にある証拠等だけで事件を解決する探偵又はそのような探偵によって解決される物語をいう。 「ベッド・ディテクティヴ」ともいう。
ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』ISBN:415071102X ジョセフィン・テイ『時の娘』ISBN:4150727015 都筑道夫『退職刑事』 バロネス・オルツィ『隅の老人の事件簿』
名探偵のままでいて (宝島社文庫) 作者:小西マサテル 宝島社 Amazon <あらすじ> かつて小学校の校長だった切れ者の祖父は現在、幻視や記憶障害といった症状が現れるレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしていた。しかし、孫娘の楓が身の回りで生じた謎について話して聞かせると、祖父の知性は生き生きと働きを取り戻す。そんな祖父のもとへ相談を持ち込む楓だったが、やがて自らの人生に関わる重大な事件が……。古典作品が彩る安楽椅子探偵ミステリー! <評価>★★★☆☆ 教師である主人公の楓が、様々な事件に関して、認知症であるが時に冴え渡った知性を閃かせる祖父に相談し解決する内容。碑文谷さんこと楓…
ボーン・コレクター 上 (文春文庫) 作者:ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋 Amazon ボーン・コレクター 下 (文春文庫) 作者:ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋 Amazon 読了してから一か月以上経過してしまいましたので、もう「読んだという記録」を残すためだけの記事になってしまいそうです。 なのでいつも薄っぺらい感想も、今回は輪をかけて薄っぺらいものになると思いますがご容赦ください。 さて、まずはこちらを・・・。 wakuwaku-mystery.hatenablog.com 自分が2023年中に読んだ作品の中で断トツで一番面白かったのが『クリスマス・プレゼント』でした。 この作…
いよいよ本番が3日後に迫ってきました。もう何回喋ったかわからない演目(アガサ作品)ですが、初めての大舞台に訳もなくびびっております。下調べをすればいいのに、つい違う資料に目が行ってしまうのは、宿題を前にした学生のようなものでしょう。 というわけで(どうゆうわけ?)、棚に鎮座した読みかけのミステリーに手が伸びてしまいました。 『オックスフォード運河の殺人』は、イギリスのミステリー作家 コリンデクスター(1930-2017)、の傑作です。代表作に、「ウッドストック行き最終バス」、「謎まで3マイル」、「キドリントンから消えた娘」、「主任警部モース シリーズ」、などなど。 イギリスの交通網の発達の歴史…
山本美月さん主演でドラマ化された作品です 2020年にテレビドラマ化された作品です。知っている方も多いかと思いますが、ドラマと原作は、雰囲気が少々違います。山本美月さんが演じた天野ゆいかは、影のある女性です。ちょっとした秘密や事情を抱えていました。一方、原作の主人公:天野ゆいかは、いたって普通のOLです。確かに、少し癖のある人間ではありますが、一般の大人の女性です。ドラマはドラマ、原作は原作で、それぞれの良さがあり、それぞれの面白さがありました。どちらも知らないという方は、ぜひ、原作から読んでみることをお勧めします。 ランチ探偵 安楽椅子探偵の華麗な推理を味わえる作品です。推理の前に、ランチが…
こんにちは。買ってきたかき揚げを翌日に食べると、油がギトギトしてオイシクナイ…ことを発見したサトーです。温めたんですが、レンジでチンしたのがまずかったのでしょうか。トースターだったらまだマシだったのかなーと思ったんですが、うち、トースターないんですよね。まあしょうがないです。次から、かき揚げは買ってきた当日に食べることにします。 さて、最近読んだ本の感想です。 安楽椅子探偵 ってご存じですか?安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)っていうのは自分で現場に行ったり、積極的に証拠集めをしないで部屋の中にいたままで、事件を解決しちゃう探偵のことです。 例えば、本人は部屋の中の安楽椅子に座ったま…
今回紹介するのはこちら。 名探偵のままでいて 作者:小西マサテル 宝島社 Amazon 宝島社が主催している「このミステリーがすごい!」で2023年の大賞を受賞した作品です。 著者の小西マサテルさんは、小説家としてはこれがデビュー作になりますが、もともとお笑い芸人から放送作家に転身してラジオ番組「ナインティナインのオールナイトニッポン」などの構成をずっと担当していたようです。帯にはナイナイの岡村さんによる推薦コメントがついていますが、これはそういう経緯があるからみたいです。 本書をざっくり説明すると「認知症になってしまった祖父のところに孫娘(社会人)が身の回りで起きた謎を持ち込んで解決してもら…
「ミステリーの女王」と言われたアガサ・クリスティー。ある程度、彼女の推理小説は読んでいますが、 自分と相性が悪い小説が2作品あります。 その2作品とは「スタイルズ荘の怪事件」と「カーテン」です。 前回の記事では「スタイルズ荘の怪事件」について書いてみました。なので、今回は「カーテン」という小説が何故、 自分と相性が悪いのか書いてみます。 推理小説の設定で「安楽椅子探偵」という設定があります。 この設定は簡単に説明すると、探偵が事件現場を調査するのではなく、 事件の情報を元に推理して、事件を解決する設定です。 そして、自分はこの設定の長編小説を読むのが苦手です。 何故、苦手かというと感覚的に何か…
九マイルは遠すぎる (ハヤカワ・ミステリ文庫 19-2) 作者:ハリイ・ケメルマン 早川書房 Amazon 推理小説の設定で「安楽椅子探偵」というのがあります。 この設定は簡単に説明すると、探偵が事件現場を調査するのではなく、 事件の情報を元に推理して、事件を解決する設定です。 ハリイ・ケメルマンの短編集「九マイルは遠すぎる」は、 「安楽椅子探偵」の代表的な作品です。 この短編集には、表題作の「九マイルは遠すぎる」を含めて、 計8編の短編小説が編集されています。この短編小説に共通して登場するのが、主人公の群検事(自称:私)と、 その友人であるニコラス・ウェルト教授。(略称:ニッキィ)の2人。8…
ミス・マープルと十三の謎 (創元推理文庫 105-8) 作者:アガサ・クリスティ 東京創元社 Amazon 【「エルキュール・ポワロ」と「ミス・マープル」】 この2人は「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーが創作した代表的な探偵です。そして、この両者は自身の事を動物に例えています。まず、ポワロは小説の中で自分を「猟犬」と例えている場面があります。(ポワロは「猟犬」よりも「パグ」みたいだと、自分は想像をしています。)そして、マープルは小説の中で自分を「おいぼれ猫」と例えているのですが、この例えは本当にピッタリだと思います。何故そう思うのか?ミス・マープルの人物像について、簡単にまとめます。・彼…