「ここには何かあるぞ」と その古本屋に入ってすぐに思った。 写真集があるし、背表紙が茶色くなった本が何冊も本棚に並んでいた。店内は清潔で、お客さんはリラックスして本を探している。何より、若い男性の店員が笑顔で挨拶をしてくれた。 そして宝物を掘り当てた。 この宝物は厚さ10センチ、重さが5.5キロある。家までバスとトラムと電車を乗り継いで1時間半もあり、持って帰るのに一苦労したが、帰り道、早く見たいとウキウキし通しだった。読むのではなく、見る本。 表紙を開けると次のように書いてある。 One Hundred Years of Human Progress, Regression. Sufferi…