「はじめて物語」の第三弾は、平岡陽明『道をたずねる』(小学館、2021年)。別府で、天沢永伍が興した地図会社「キョーリン」。設立7年目、社員は20名たらずで、零細企業の域を出ていない状態でした。が、創業社長には、「いつの日か、日本の全建物と全氏名の入った住宅地図を完成させる」という大きな目標がありました。キョーリンが辿った苦難の道のりと切り開き続けた新たな地平が描かれています。世の中には、絶対に間違えてはいけない印刷物が三つあります。それは、電話帳、新聞の株式欄、住宅地図です。日本に住宅地図を普及させた、国内最大手の地図情報会社「ゼンリン」がモデル。 [おもしろさ] 「間違いが許されない」地図…