Akio Jissoji (1937年-2006年)
映画監督、テレビ演出家、オペラ演出家、エッセイスト。 1937年3月29日生まれ(東京都出身)。 ウルトラ・シリーズのアンチ・ヒーロードラマ的な演出で、伝説的な存在となる。 『長崎犯科帳』『子連れ狼』など萬屋錦之介主演時代劇のオープニング、エンディングの演出でも有名。 「川崎高」などのペンネームも用いた。 2006年11月29日、最後の仕事であったハイドンのオペラ《月の世界》のゲネプロの日の朝、長らく患っていた病気のため死去。
明日積雪の恐れがある関東。今日も未明から庭の植木を打ち付ける雨の音が鳴り始めました。今朝は日の出の陽光も差し込まず、ひんやりとした空気感が氷雨を布団の中で感じます。 「そういえば今日が立春かぁ」の朝。太陽が天球上の黄経315度を17:27に通過します。日の入りが17:11なので、その後の話。 チェレスタ チェレスタという楽器は、オーケストラの中にいて、その音は一発で聞き分けられるほどの独特の音色を持った小さな楽器です。有名どころではチャイコフスキーの「金平糖の踊り」や、サン=サーンスの「水族館」。最初に意識して聞いたのはホルストの「水星」です。 図書館に森ミドリさんのCDに『チェレスタはゆりか…
ふや町映画タウンに実相寺昭雄監督の「キャスリーン・バトル/リリック・ソプラノ(1987)」と「ディーバ/キャスリーン・バトルの歌声」という二本のビデオがあったので借りてみた。 実相寺監督っぽい奇抜な演出などはなく、音楽ビデオらしくきちっと撮られたものであった。前者のビデオ(5/25人見記念講堂のライブとのこと)にはさまれた解説の実相寺監督の言葉によると、監督は70本ほどの音楽中継を手掛けてこられていたが、オーケストラや室内楽を撮る時のような目先の変化がなく、演出泣かせであったとのこと。「ソニーの酒井さんに乗せられて」というような言葉が載っていたけれど、酒井正利プロデューサーのことかな。大ヒット…
『池田満寿夫 20年の全貌』 美術出版社1977年 名前に「満洲」が入っている池田満寿夫 森茉莉がエッセイ*1で「上等の庶民芸術家」と絶賛していた池田満寿夫(1934年生まれ)。私が知っている池田満寿夫の情報といえば、 1、モジャモジャ頭 2、エロティックな映画を撮っていた 3、名前に「満洲」が入っている といった程度ですが、今日は【名前に「満洲」が入っている】部分について紹介しましょう。映画『エーゲ海に捧ぐ』で知られる池田満寿夫は、満洲生まれでした。 ▽池田満寿夫とエーゲ海。画像は文春オンラインから 池田満寿夫は「満洲」生まれ、「内蒙古」育ち 池田満寿夫は、1934年(昭和9)、満洲に生まれ…
実相時昭雄の冒険創造と美学
【『ウルトラマン』の想い出 (2)】
曼陀羅 清水紘治 Amazon 1971年実相寺昭雄監督。学生運動の果て、空虚に陥っているような二組のカップル。片方は宗教集団的なものに救済を求めそこで共同生活を始めるが、エロスと犯罪と集団ヒステリーが混ざりあったような空気はヒッピー的で「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」*1で描かれていたマンソン・ファミリーを思い切り国粋的にしたよう。 学生運動からの気持ちの空洞化のあの時代に大人ではなかったけど生きていたからこの作品の持つ悲壮感がなんとなく理解できたけど、平成生まれ令和の日々を忙しく生きる娘なんかにはこの作品どううつるのかな?などとも思う。 そもそものおこりになる日本海側と思わ…
ウルトラQザ・ムービー 星の伝説 [DVD] 柴俊夫 Amazon 実相寺昭雄監督、佐々木守脚本。(2000年) こどもの頃接したTVの「ウルトラQ」の、まだ「ウルトラマン」的に定型化する前の禍々しいインパクトのある雰囲気が忘れられなく、大学生の頃もビデオを借りてきて観たりしていた。 この映画はテレビの素材を映画にした時の無理矢理場を大きくした感の弊害は少々あるし、つくりも今観るとちょっと安っぽい感じがするところもありつつも「日本書紀」なども引用しつつ少数派である海の種族が追い立てられる歴史の流れ、その延長線上としての遺跡を商売のタネにする開発への警鐘は佐々木守のカラーがとても出ており、深堀り…
哥(うた) [Blu-ray] キングレコード Amazon 「無常」「曼陀羅」に続く実相寺昭雄監督の三部作とのこと。以前「無常」を観た時、観念的で破壊的な田村亮氏の行動や前衛的な音響についていけなくちょっとした苦行的鑑賞になってしまったのだけどこちらは自分の気持ちのコンディションが良かったのかすんなりと入ってきた。 丹波篠山の山林王の息子三人の物語。 モノクロームの映像、旧家のさま、山の中、そしてポルノグラフィー的シーンまで美しい。 この作品ではヴィヴァルディが使われているが、日陰の存在の息子で、現在は下男として仕えている篠田三郎がただひとり子羊のように禁欲的でかたくななまでの意志で家を守っ…
昨年11月、池袋の自由学園にて “実相寺昭雄メモリアルコンサート2022 陰影礼讃、夢中遊行” が行われた。この自由学園明日香講堂は重要文化財だという。
息子が生まれた8年半前からというもの、僕のiPhoneのカメラロールは彼の写真で溢れ返っています。何万枚とか、そんなレベルで。 今更ながら、携帯電話にカメラが実装されたのって本当に世紀の大発明だったんだなあと思わされます。いつでもどこでも、成長していく息子の一挙手一投足を写真に記録できるわけですから。インスタントカメラの時代だった僕らの幼少期であれば、おそらく形に残ることは無かったであろう息子のふいに見せる表情、変なポーズ、ちょっとしたハプニング等々……。容量パンパンでも削除できませんもんね。一度撮ったが最後、という感じ。 僕、ポケットのiPhoneをサッと取り出す。それを息子にパッと向ける。…
すま けい・ さようなら、そしてこんにちは 幻劇 2010年 11月12日~21日 舞台 井上ひさし追悼 ゲストトーク出演 日替わり「水の手紙」「少年口伝隊一九四五」こまつ座 九十一回公演 紀伊國屋サザンシアター 2011年 5月26日 放映 BS NHK 日本列島 スペシャル「響け明日へのゴング」語り 6月4日放送 第26回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集最優秀賞『猫が笑えば』(名古屋局制作) 7月2日「劇作家岸田國士を読む」MINAMI-AOYAMA MANDALA PRESENTS READING LIVE 南青山MANDALA 演出 井上思 2012年 3月22日~31日 舞台「満…
すま けい・ さようなら、そしてこんにちは 幻劇 2012年 12月11日 舞台「言葉の滋味 言葉の凄み」 Dramatic Reading 構成 演出 井上思 inMANDALA 2013年 2月16日~17日 復刻 舞台朗読劇「天切り松 闇がたり」~第一夜 闇の花道~槍の小輔 集英社刊より 原作 浅田次郎 台本 中西良太 構成 演出 中嶋しゅう 三越劇場 旅公演 2月19日~3月2日 千葉方面 ーーーーーーーーーーーーーー 顔 カオ かお こんなシーン 出演 すまけい 鷲尾真知子 増田英治 音楽 演奏 藤原道山 資料 チラシ DVD(市販あり) ーーーーーーーーーーーー 1972年「すまけ…
寺田農氏がお亡くなりになりました(なっていました)。3月14日(公表23日)。肺癌。81歳。映画、舞台、ドラマはもとより、特撮、アニメまで幅広く活躍。声優としてのお仕事は多くはありませんでしたが(外国映画の吹き替えを除けば)初挑戦となった「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐(ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ)役で一気にレジェンドに。収録時、後半の絵がまだ出来上がっておらず「時間」の指示だけで時計を見ながら台詞を読んだそうです(そりゃ思い入れが薄くなっても仕方ないよなあ)。また、演技をめぐって宮崎監督と「揉めた」らしく(トラウマになったと言っているくらいなので結構な揉め方をしたのでしょう)、公開後も「…
かなしきこと。 もともと渋い脇役でありながら,「ラピュタ」での悪役「ムスカ大佐」の鮮烈な印象に若い世代にも知らぬ者がなかった,俳優の寺田農氏が3月14日に逝去された。81歳だったというからまだまだ活躍できる年齢だと思ったが,肺癌だったとのことである。心からご冥福をお祈りします。 寺田氏を初めて知ったのが「青春とはなんだ」だったが,このときはお名前の読みがわからなくてずっと音読みしていた。1978年にステレオドラマ特集としてFMで再放送された「北の祭」(1969年制作)を聴いて初めて名前の読みを知ったのである。思い出深い「北の祭」を改めて聴いた。 漁師の父親を海で,母と妹をチリ津波で亡くした主人…
すま けい・ さようなら、そしてこんにちは 幻劇 2011年 7月2日「劇作家岸田國士を読む」MINAMI-AOYAMA MANDALA PRESENTS READING LIVE 南青山MANDALA 演出 井上思 2012年 3月22日~31日 舞台「満ちる」作 竹内統一郎 演出 松本修 MOOD 公演 座・高円寺1 12月11日 舞台「言葉の滋味 言葉の凄み」 Dramatic Reading 構成 演出 井上思 inMANDALA ーーーーーーーーーーーーーー 顔 カオ かお こんなシーン 出演 すまけい 小説 菊池寛「入れ札」赤木山を後ろにした国定忠治~ 南谷朝子 弾き語りゴーストス…
ちょっと前に『M14の追憶』でも取り上げられていた『シルバー假面』(2006年)撮影中のオフショット。寺田農が実相寺昭雄の手をしっかり握っている。現場の実相寺監督は、すでにかなり体調が悪かったというから、寺田農も励ましているのだろう。実相寺は作品公開直前に亡くなり『シルバー假面』は遺作となった。盟友、寺田農は活動写真の弁士役で、全編の語りも担当している。 寺田農は、実相寺監督のウルトラシリーズでの最後の作品となった『ウルトラマンマックス』第24話「狙われない街」(2005年)にも出演、メトロン星人を演じている。 その寺田農の、おそらく生前最後のテレビドラマ出演となったのが、昨年放送された『ウル…
Féminin:俳優の寺田農さんが亡くなったのね…。 Masculin:…えぇ。それほど沢山のお仕事に接してはいないけど、印象的なものは幾つか…特に岡本喜八監督「肉弾」はやはり代表作でしょうね。勿論我々ごときが同世代的共感だなんて言えるわけもないけど。 F:あれは父も大好きな作品だったの。同じ時代にもしかしたら似たような体験をしてたかも知れないし、ああいう重いテーマを声高でなくむしろ詩情と奇妙なユーモアで描いた稀有な一本だって言ってたわ。勿論、寺田さんと大谷直子さんの熱演も。 M:同感です。それ以外にも寺田氏の出演作は印象的なものが少なくないけど、覚えてらっしゃいます?’96年の秋にストラヴィ…
おはようございます。 俳優「寺田農(みのり)」さんの訃報。個性的な俳優さんでした。ご冥福をお祈りします。 すぐ浮かんだのは、前、再放送で観た「剣客商売(加藤剛版)」の不気味な人斬りの役(「妖怪小雨坊」)、藤田まこと版では娘が手裏剣を使う病気の道場主の役(「剣客商売」は色々なバージョンがあるので混乱します)と、何故か「ウルトラマン」のガマクジラ回の運転手と、「ウルトラマンマックス」の「狙われない街」! 実相寺昭雄監督と親しかったのかな。「ウルトラ」はよく出てらして、「狙われない街」は「ウルトラセブン」の「狙われた街」の皮肉たっぷりの後日談。「セブン」で真っ二つにされた(ハズの)メトロン星人の人間…
すま けい・ さようなら、そしてこんにちは 幻劇 2011年 5月26日 放映 BS NHK 日本列島 スペシャル「響け明日へのゴング」語り 6月4日放送 第26回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集最優秀賞『猫が笑えば』(名古屋局制作)7月2日「劇作家岸田國士を読む」MINAMI-AOYAMA MANDALA PRESENTS READING LIVE 南青山MANDALA 演出 井上思 2012年 3月22日~31日 舞台「満ちる」作 竹内統一郎 演出 松本修 MOOD 公演 座・高円寺1 ーーーーーーーーーーーーーー 顔 カオ かお こんなシーン パンフレット 出演 すまけい 小嶋尚樹 …
すま けい・ さようなら、そしてこんにちは 幻劇 2011年 6月4日放送 第26回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集最優秀賞『猫が笑えば』(名古屋局制作) 7月2日「劇作家岸田國士を読む」MINAMI-AOYAMA MANDALA PRESENTS READING LIVE 南青山MANDALA 演出 井上思 2012年 3月22日~31日 舞台「満ちる」作 竹内統一郎 演出 松本修 MOOD 公演 座・高円寺1 ーーーーーーーーーーーーーー 顔 カオ かお こんなシーン 出演 すまけい 小嶋尚樹 中田春介 若松力 岡部尚 山田キヌヲ 大崎由利子 中地美佐子 山田美佳 ーーーーーーーーーー…
すま けい・ さようなら、そしてこんにちは 幻劇 2010年 11月12日~21日 舞台 井上ひさし追悼 ゲストトーク出演 日替わり「水の手紙」「少年口伝隊一九四五」こまつ座 九十一回公演 紀伊國屋サザンシアター 2011年 5月26日 放映 BS NHK 日本列島 スペシャル「響け明日へのゴング」語り 6月4日放送 第26回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集最優秀賞『猫が笑えば』(名古屋局制作) 7月2日「劇作家岸田國士を読む」MINAMI-AOYAMA MANDALA PRESENTS READING LIVE 南青山MANDALA ーーーーーーーーーーーーーー 顔 カオ かお こんなシ…
すま けい・ さようなら、そしてこんにちは 幻劇 2010年 11月12日~21日 舞台 井上ひさし追悼 ゲストトーク出演 日替わり「水の手紙」「少年口伝隊一九四五」こまつ座 九十一回公演 紀伊國屋サザンシアター 2011年 5月26日 放映 BS NHK 日本列島 スペシャル「響け明日へのゴング」語り 6月4日放送 第26回NHK名古屋創作ラジオドラマ脚本募集最優秀賞『猫が笑えば』(名古屋局制作) ーーーーーーーーーーーーーー 顔 カオ かお こんなシーン 作:三好理恵子演出:佐藤譲技術:藤井健太音響効果:菅野秀典 出演:景山葉月 すまけい 石河美幸 佐々木勇杜 蜂須賀ゆきね 宮璃アリ 松尾…
陽気につられて外に出ようとするけど躊躇する というわけでインプット作業 手塚治虫の『マグマ大使』を読んでみる 僕の尊敬する実相寺昭雄は秋田書店のあとがき にこう書いてる あらためて読み返してみると天才の発想。その所産としか言いようがない。未完になったのは時代の遥か先を駆けていたからである。この作品を完成できるとしたら神しかいない。それほどの広がりと高みに登り詰めている、とわたしは感嘆してしまった。 僕の中では実相寺も十分レジェンドなのだが そのレジェンドにこれほど言わすのがマグマ大使 "ロケット人間"という発想の勝利だと思う 最初は少年がある朝目を覚ますと外が2億年前の 世界になっていたという…