梯明秀の「実践的直観の立場」 4 『資本論』における端緒的商品と始元的商品 イ 単純商品について スターリニストの多くが冒頭商品を「単純商品」であると解釈している。例えば、長谷部文雄らのように単純素朴に、冒頭商品は単純商品である、という。それを、マルクスの『剰余価値学説』第三巻の叙述「われわれは、まず資本制生産の基礎であり前提である商品――生産物の特殊なるこの社会形態――から出発する」という記述に依拠して。 梯的に表現すると、単なる「悟性主義的いじくりまわし」以外の何物でもない。長谷部は自らが依拠するマルクスの上記記述のその背後にあるマルクス弁証法を切断しているといわざるをえない。 梯もまた、…