困った。 何も浮かばない。 文章の書き方そのものを忘れてしまったかのようだ。 くしゃみと一緒にありとあらゆるアイディアが、飛沫(しぶき)となって排出された感がある。 花粉の迷惑、極まれり。もはや立派な公害である。解決のため、官民挙げてもっと真剣になるべきだ。……ここまでの段にしてみても、たったこの、これ、百五十文字を書くまでに十五分以上かけてしまった。話にならない生産性の低さであろう。 スランプの見本みたいな状態だ。 こういう場合、しかし捗らないからといってキーボードから離れると、病状はますます悪化する。体験に徴して明である。腕を覆うさびつき(・・・・)は、いよいよ以ってのっぴきならぬ深みまで…