「意味がわからなかった」という感想が、あれほど均質に広がった映画を、私は他に知らない。 2023年の夏、宮崎駿の新作「君たちはどう生きるか」が公開されたとき、SNSは奇妙な静けさと混乱に満ちた。事前情報がほぼゼロだったことも影響しているが、それ以上に、映画を見終わった人々が「何を言えばいいかわからない」という状態に置かれていた。批判ではない。絶賛でもない。ただ、言葉が出てこない。 これは失敗だったのか。私はそう思わない。むしろ逆だ。「意味がわからなかった」という体験が均質に広がったという事実そのものが、この映画の本質を指し示している。 宮崎駿は、説明しないことを選んだ。それは意志的な行為だった…