人の見た目への感覚ってそれぞれだね、の話。 ん-、わからん、わからんよー 子供の頃、法事だったか、ただのお盆だったか、久しぶりにたくさんの親戚が祖父の家に集まったときのこと。 「しず子おばさんに挨拶しておいで」 こんなとこに来るより友達と遊んでいたかったなぁと少々ムクれていた僕に、母が言った。母の視線の先を僕も目で追うと、7,8人のおばさんたちがかたまって世間話に興じていた。 「どれがしず子おばさん?」と問うと、母は当たり前のように、 「ほら、あの一番きれいなひとよ」と言い放った。 分からなかった。 僕は愚鈍な少年だったけれど図画工作美術系の成績だけはすこぶるよかった。世間一般以上の美的感覚は…