発達心理学では、物体の外見や形が変わっても、ある性質は変わらないことを理解することを保存の概念という。これは、子どもの認知発達における重要なマイルストーンと考えられており、ピアジェの認知発達理論における具体的運用段階において典型的に獲得されるものである。 保存の概念は、容器から別の容器に液体を注ぐ、物を並べ替えるなど、物の物理的な外観の変化を伴う課題を用いて試されることが多い。保存の概念をまだ獲得していない子どもは、物体の知覚的な変化に注目し、量や質も変化したと思いがちである。たとえば、保存の概念がまだ身についていない子どもは、どちらのグラスにも同じ量の水が入っているにもかかわらず、背が高くて…