中国武術の一部にみられる攻撃技術のひとつ。
自分の攻撃部位と相手との距離が非常に短い状態から発勁を行い、強い衝撃を加える技法のこと。
主に至近距離から外面的な変化を見せずに強烈な衝撃や痺痛を加えることで戦意を喪失させたり、戦況を優位にする目的で使用される。
実際には「寸勁」という固有の技術があるわけではない。勁の運用の一端と理解すべし。
ある種の人々の中では北派(長江以北)の内家拳と呼ばれる(形意拳・太極拳・八卦掌・通背拳…)門のみの特殊な術と誤解されている節があるが、そんなことはない。例えば外家の八極拳にも寸勁はあり、また白鶴拳の寸力、詠春拳の発力など、南派の拳法にも存在する。
有名なものに載拳道創始者ブルース・リーが実演した「ワンインチパンチ」(1インチは2.5センチ)がある。