新年の宴会に招かれ、久しぶりに料亭へ出向きました。床の間のある座敷で、きちんとした日本料理をいただく機会は、茶席を除けば本当に久しぶりのことです。 つい先だって、創業百年を超える老舗料亭が閉店したという話を聞いたばかりでもあり、こうした場も、これからますます減っていくのだろうかと、しみじみした気持ちになりました。廊下を隔てた広間からは、大勢の賑やかな声が聞こえてきます。仲居さんに尋ねると、外国人の集まりなのだそうです。なるほど、そういう時代なのだとも思いました。 鴨鍋のぐつぐつ煮える音に耳を澄ませていると、静寂と音とが重なり合うのもまた、料亭という空間の文化なのかもしれないと感じます。歌人・小…