作家、評論家。一八九四〜一九九四 東京で生まれる。 慶応大学卒業。 芥川龍之介や菊池寛の知遇を得て、作家として歩み始める。大正11年、鈴木三重吉夫人の妹と結婚。同年、知り合いの講釈師神田伯龍のことを書いた『一枚看板』を発表。これが好評で、文壇に登場した。その後は芸道小説を得意とする人気作家となり、映画化された作品も数多い。 芥川賞・直木賞の選考委員や慶応義塾大学文学部の教授もつとめた。 また、食通としても知られ、著書「食いしん坊」がある。
びろうどの眼:小島政二郎 1957年(昭32)東方社刊。 小島政二郎(まさじろう)は市井物、風俗小説が多いのだが、これは異色の探偵小説だった。謎の男から財界人を狙って大金を脅迫する髑髏マークの手紙が次々に届く。その約束や期限を守らない場合は車へ爆弾を仕掛けるなどして殺害される。警視庁の捜査部長も必死に活動するが、一味の組織力に翻弄され、左遷される前に辞職する。ルパンやジゴマの影響を受けた明治大正期の怪盗物の定石を押さえ、特ダネを追う主人公の新聞記者に、兄を殺された映画女優を配した犯人捜索劇になっている。ただし書き慣れた探偵作家たちと違って、彼の文脈の流れは緩やかで、読者を引き込むほどの迫力表現…
こんにちはー😀りあんです ブログに来てくださってありがとうございます 図書館で、文士スタンプラリーを見つけてから関連の本を借りるようになりました 文士コーナーで、私を手招きしていた本‥笑 『食いしん坊』小島政二郎 河出文庫 あそこのあれは美味しいんだよなぁ〜といった内容で(ざっくりすぎる!?) 読むとやはり食べたくなり‥ 行ってきたのは そば所 よし田 ランブル うさぎや 鶴屋八幡 資生堂パーラー まとめ 1・そば所 よし田 ー銀座 明治18年創業の木鉢会にも名を連ねる老舗蕎麦屋さん 入り口はエレベーター上がって、2階にあります 名物のコロッケそばを注文 柚子の香りとねぎ、コロッケ(?)とお蕎…
高柳克弘『どれがほんと?―万太郎俳句の虚と実』(慶応義塾大学出版会 2018年) 小島政二郎『俳句の天才―久保田万太郎』(彌生書房 1980年) 久保田万太郎『句集 道芝』(ほるぷ 1980年) 久保田万太郎/久米正雄『互選句集』(文藝春秋新社 1946年) 久保田万太郎の俳句は、以前からどことなく気になっていましたが、今年初めに、篠田一士『三田の詩人たち』の万太郎俳句について書かれた章を読んで(2月25日記事参照)、自分の好みに合う作風だとあらためて惹かれたので、本棚に眠っている本を取り出してみました。 『互選句集』は、「万太郎句抄」と久米正雄の「万太郎俳句覺書」を読んだだけですが、この4冊…
シラフだからふと考えた。 死ぬことになった時にこのじぶんが食いたい、と云っているもんとは一体なんであろうか。 サッポロ一番でも食っていろ、というのは無しで。 オーバカナルのパナッシェなのだろうか。 病身かなんか、なのだろう、死ぬってこたぁ。 酒なんか抜けきっていて、そこに浴びる、あの細身のビールメーカーのロゴなんかが小粋に入っちゃってるグラスで飲む、琥珀色の酒。沁みるぜ、まったく。想像しただけで酔いがまわってくらぁ。 高価なウイスキーとかシャンパンなんかじゃなくって、スニーカー履いて飲んでいたあの酒がやっぱりこのじぶん、の人生のなかで鮮明に、酒、だったと思い返される……などとなにも、これから死…
小説を一本書き上げる初稿最終日の朝、ハードオフで百円円だったピアノ小曲集のレコードのぶつぶついうノイズを聞きながら(演奏は音大生並みなのであんまり真面目に聴いていない。とくにショパンのノクターンは聴けたものではない)、パンを温めてコーヒーを淹れる。そのまま八枚を昼前までに書いて、初稿完成となる。今手許にある未公開(電子書籍で公開するための文章もある)、未送付(賞に送るための原稿)はこれで合計三つとなり、あしたから、四本めをつくることになる。まずは白水社の五百頁ある一次資料である伝記を読むことから始めるのだったが……。 なにかを仕上げても、ブルーハーブの「今日無事」を流したっきり、ここには神保町…
今日は、最新作『ビブリア古書堂』に出てきた鎌倉文庫に関連して話を始めます。 私が鎌倉好きなのには色々わけがありますがそのひとつには、 好きな作家が鎌倉にこぞってお住まいだったということも関係しています。 《作家》より《文士》という方がお似合いの面々 里見弴、大佛次郎、久米正雄、川端康成、高見順、小林秀雄、中山義秀、蒲原有明、小島政二郎、永井龍男、林房雄、吉屋信子、そして島木健作。 好きな作家の殆どが鎌倉在住だと知ったのは、その人たちの作品を読んだ後のことでして、 私の好きな作風は、鎌倉の風土が育んだのかしらと思ったりもします。 【島木健作について】 島木健作は、たまたま手にとった百花文庫を読ん…
三上 延 著『ビブリア古書堂の事件手帖』Ⅳ ~扉子たちと継がれる道~ 読了 ビブリアは、栞子さんシリーズが7巻、娘・扉子さんシリーズが4巻、計11巻の人気作品。 今回は戦中、鎌倉の文士たちが立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」にまつわる話を、 ビブリア古書堂の三世代の女性たちが解き明かそうとする話だ。 鎌倉文庫の貸本の、夏目漱石の初版本がミステリーの謎になっている。 三つの時代をまたぎ紐解く鎌倉文庫の謎 まだ梅雨の始まらない五月の終わりの鎌倉駅。よく似た顔立ちだが世代の異なる三人の女性が一堂に会した。 戦中、鎌倉の文士達が立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」。 千冊あったといわれる貸出本も発見されたのはわずか…
私が若いころ、歌謡曲好きの友人が「作詞をして当たったらいいなあ」というようなことを言っていた。作詞家というのがどれくらいもらえるのか、歌がヒットするとそれだけで儲かるのか、その後仕事が多く来るから儲かるのか分からないが、何しろ一つの歌の作詞は一見したところ長編小説を書いたりするよりは簡単そうなので、私も「そうだなあ」と思ったが、作詞には新人賞はあることはあるようだがそれで作詞家になった人は多くはなさそうだし、作詞家の弟子になるとか、放送業界へ入って作詞を売り込むとかそういう手段しかないだろう。「なるにはシリーズ」には、なぜか『作詞家になるには』という本はない。 ふと、阿久悠が書いた『作詞入門:…
連休初日はいつもの合評会があるので、銀座に行きました。 相変わらずのインバウンドで海外からの旅行客で混んでいましたが、「喫茶おじさん」にある純喫茶に行ってみました。 「ここは銀座の老舗も老舗、日本で最も古い喫茶店の一つと言ってもいい店だ」 という「カフェー・パウリスタ」です。 銀座駅から徒歩5分。中央通りに面しています。 近くには GINZA SIX に、ヤマハ銀座ビル(小さなホールがある)、Montblanc なんかが建ち並んでいます。 混んでいて、外まで人が並んでいます。 ,喫茶おじさんが寄ったのは平日で、「待たずに席に座れた。楽隠居の老人が多いようだ」と書いてありましたが、休日はどちらか…
人と人とを出逢わせる、結びつけるというのは、人間的力量の最たるものかと思う。 今東光は津軽藩士の家柄だったことから、作家志望の太宰治青年の訪問を受けた。津軽つながりだ。文学を離れて仏道修行専一の時期だった東光は、自分には面倒看きれずと判断し、佐藤春夫への紹介の労をとった。で、太宰は佐藤春夫門下となった。 後年、田中英光の訪問を受けた。太宰治に紹介した。巡って、太宰歿後一年後に、田中は太宰墓前にて自決することになった。小説であれば、作り過ぎだろうと云われそうな因果である。 中学の後輩にあたる稲垣足穂の、才能は高く評価しているが、面識はないと東光は云う。機会があれば会ってみたいとも。稲垣のほうは、…
監督 野村浩将 脚本 柳井隆雄 原作 小島政二郎 出演 川崎弘子 佐分利信 上原謙 三宅邦子 藤野秀夫 山内光 上山草人 笠智衆 坂本武 飯田蝶子 小島和子 吉川満子 二葉かおる 岡村文子 河村黎吉 川崎弘子・佐分利信 60年代の大映映画が男性の夢だとしたら、これは30年代の人妻の夢と希望がふんだんにちりばめられている作品です。 原作が主婦の友に連載された小説なんで子持ちの人妻がモテモテです。しかも夫が佐分利信で好かれるのが上原謙ですよ!上原謙の男前っぷり爆発してました。 1979年だと思いますが、上原謙の再婚相手と加山雄三一家のことがテレビや週刊誌で話題であった頃、私は上原謙をまじかで見たこ…
群馬県へのお墓参りを終えた翌日は、新潟県内のお墓参りです。 あいにく彼岸は過ぎてしまいましたが、これもしょうがないこと。 家の食事等の買い物は、あらかじめ済ませておいたので、行動としては楽です。 当日は少し遅めの午前7時前に起床。 まずは前日のお土産の処理です。 キノコのイシヅキを取って冷凍の準備。 完了! 白菜も少し痛んできているので冷凍します。 完了! なんとか冷凍庫に収めることができました。 今回はキノコと蒟蒻は家内の会社の同僚にお裾分けします。 午前10時前に出発。 まずは一番遠い村松へ。 この日は前日とは打って変わって気温が上昇! 村松に着く頃には10℃を超えました。 やはりお彼岸を…
直木賞作家にして、女優の藤真利子は息女。小島政二郎に「文章の一つ一つがピタッ、ピタッと女の急所を押さえている見事さは、心憎い位の魅力」、井伏鱒二には「女性の本能的な正体を書き現わす」「野性味も実に野放しの感じ」と評された作家だが、確かにその詩的な文章には感嘆する。併し、本作では好きな女がいるにも拘わらず、どうしたことかいつのまにか他の女と結婚し、独身を通すその女と混浴で一緒に浸かりながらも、欲情を抑えるあたり私としては苛立ちを覚えた。また、心象風景や描写などが多く会話が少ない分、やや読みづらい。
文部科学大臣が、統一教会の友好団体から「推薦状」をもらって、選挙支援を受けていたという問題。統一教会との関係があれほど大きな問題となったにもかかわらず、僅か2年前の選挙のことを忘れていたのなら病的な健忘症を疑うレベルだが、大勢の会員が連日、選挙事務所名で有権者に投票依頼の電話をしていたことを「覚えていない」。証拠を示されると、「写真があるのなら、推薦状を受け取り、推薦確認書に署名をしたのではないか」とようやく認めた。しかし首相は、野党からの更迭要求を拒否し、閣僚と教団の関係についての再調査要求にも応じない。 という呆れたニュースなのだが、その「再調査にも応じない」記事の見出しが、「再調査応ぜず…
図書館の棚を見回っていて、 小躍りするほどファンキーな一冊に出会った。 表紙は若き日の三島由紀夫と石原慎太郎 この本は2000年から2006年『諸君!』に掲載されたありし日の文豪たちの本。 カメラマンの樋口進さんが撮影したモノクロ秘蔵写真と、 川本三郎さんの記事で構成された、ひとり 6ページの実録集。 メンバーがスゴイ! 永井荷風、野村胡堂、志賀直哉、谷崎潤一郎、里見弴、久保田万太郎、宇野浩二、久米正雄、広津和郎、佐藤春夫、吉川英治、獅子文六、小島政二郎、徳川無声、佐佐木茂索、吉屋信子、大佛次郎、宇野千代、尾崎士郎、井伏鱒二、今東光、川端康成、川口松太郎、石坂洋二郎、大宅壮一、中山義秀、海音寺…
こぽこぽ、珈琲 (おいしい文藝)作者:阿川佐和子,泉麻人,井上ひさし,植草甚一,内田百閒,柏井壽,片岡義男,草森紳一,黒井千次,小島政二郎,佐野洋子,清水幾太郎,滝沢敬一,種村季弘,團伊玖磨,塚本邦雄,寺田寅彦,常盤新平,外山滋比古,永江朗,野呂邦暢,畑正憲,星野博美,湊かなえ,向田邦子,村上春樹,村松友視,森本哲郎,山口瞳,吉田健一,よしもとばなな河出書房新社Amazon 1. 書籍について 本書は「こぽこぽ、珈琲」というタイトルのエッセイ集であり、阿川佐和子、泉麻人、井上ひさし、植草甚一、内田百閒、柏井壽、片岡義男、草森紳一、黒井千次、小島政二郎、佐野洋子、清水幾太郎、滝沢敬一、種村季弘、…