国文学者、京都産業大学教授、同日本文化研究所長。1960年栃木県生まれ。1984年慶應義塾大学文学部卒業、90年同大学院後期博士課程単位取得。89年洗足学園魚津短期大学専任講師、96年助教授、99年京都産業大学文化学部助教授、教授、同日本文化研究所長。96年日本古典文学会賞受賞。専攻は和歌文学・中世文学。
藤原定家自筆の「顕注密勘」の署名。「八座沈老」と書かれている=京都市上京区の冷泉家時雨亭文庫 歴史の玉手箱がまた一つ開いた。 小倉百人一首の選者とされ、鎌倉時代を代表する歌人、藤原定家の自筆本が子孫である京都市の冷泉家で見つかった。 失われたと考えられていた古今和歌集の注釈書「顕注密勘(けんちゅうみっかん)」だ。写本が重要文化財に指定されているが、原本だけに、研究者は「国宝級」と評価する。 和歌は日本文化の源泉の一つといえる。今後の研究成果に期待したい。発見されたのは上中下の3冊で、中と下の2冊が定家の自筆原本と確認された。上は後の当主による写本で、原本は火災で失われたらしい。 和歌の奥義を伝…