南海の孤島に出現した怪獣と宇宙からの侵略者。居合わせた日本人が現地人と、旧日本軍の残存兵器で迎撃する。 『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』(1970)は、地味な怪獣とスケールの小ささによりマイナーな扱いだが、手堅いつくりが光る小品佳作。知性を持つ宇宙生物がイカなどの生物に取り憑き怪獣化させ、人間の中にも入り込むという展開は、ホラー色が強い。外部から敵が来るというだけでなく “内からの恐怖” を感じさせる、時代に先駆けたものだとして積極評価する声もある(佐藤健志『さらば愛しきゴジラよ』〈読売新聞社〉)。 5月、『決戦!南海の大怪獣』のリバイバル上映と、島の娘・サキ役の小林夕岐子氏の…