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英文学者,演劇評論家。 文京学院大学客員教授,東京芸術劇場館長(1993年〜)。 シェイクスピアの全戯曲を翻訳したことで有名。
1930年,満州生まれ。 東京大学英文学科卒。1956年,東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。 國學院大学講師,津田塾大学講師を経て,1968年より東京大学教養学部教授。1991年,東京大学名誉教授。 『シェイクスピア全集』で1980年度芸術選奨文部大臣賞受賞。1995年紫綬褒章受章。2002年文化功労者に選ばれる。
物語オセロー (シェイクスピア・ジュニア文学館 7)作者:小田島 雄志汐文社Amazon 残念ながら私は今までシェイクスピアの作品を完訳で読んだことありません。 子ども向け翻訳は部分的に読んだことあります。 しかし、四大悲劇の一つである『オセロー』だけは読んだことなかったので、図書館の児童書コーナーで児童書版を借りてきました。 何で今まで読まなかったのかと残念に思うほど、素晴らしい内容でした。 社会で生きていると、イアーゴーのような人間はいるものです。つまり、親切な助言者のふりをして近付く詐欺師です。 本作品を読んでいると、将来、そのような人物が近付いて来た時に「こいつはイアーゴーではないか」…
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて文学座公演『オセロー』観劇。8列センターブロック。 横田栄司さんカムバックおめでとうございます!最高でした〜!お帰りなさい!劇団に入って25年で初めての共演というイアーゴー浅野雅博さんと意気のあった演技が最高に楽しい。演出の鵜山仁さんも「こんなに合う」ことにびっくりしてらしたって。どうやら「赤い糸」で繋がっていたらしい。 サザンシアターのバルコニーみたいな通路を使った演出を初めて見ました。舞台の奥に照明が当たるとキラキラ✨する透明なカーテン(?)がはられ綺麗でした。そこの照明の色が変化はオセローの心境ですね。美術ですが、中央にデンと鎮座している…
横田さんお帰りなさい! 横田栄司さん、復帰後初舞台。 チケット発売前から文学座がかつてないほどあちこちで宣伝しており、劇団の熱と意気込みがすごい本公演。もちろんこちらの期待もMAX! 舞台セットと演出について ビニール状の幕が舞台の両袖に簾のように吊るされ、奥の壁全面にも張られている。そこに照明や映像が映されると、光が反射して、不規則で柔らかな動きになり、幻想的でイマーシヴな雰囲気を見せる。 舞台の後方に変形の平台があり、その中心に四角い箱がある。小さな部屋くらいの大きさ。箱といっても枠組だけで四方から中は丸見え。対の2面は観音開きの戸の形で、もう一対の2面は網目状にゴムひもが張られている。箱…
蜷川さんのご命日。改装後初の彩の国さいたま芸術劇場にて 彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念 彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』「蜷川さんただいま〜」って言いたくなる。ホームです。 彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd 💀Vol.1『ハムレット』👑観劇。最後列のN列サイドでしたが、さすがさい芸、問題なく観やすい!左右に並ぶ柱の他になんの装置もないシンプルな美術。舞台床のアート(って言わない?)や照明の素晴らしさを堪能!バルコニー席も舞台を向くように椅子の向きが変わっていてすごく観やすそう!補助席も満席でした。 柿澤勇人ハムレット「シェイクスピア俳優」爆誕という事…
岡健さま、浦井健ちゃん、亀ちゃんたちの 新国立劇場 シェイクスピア、ダークコメディ交互上演(新国立劇場 中劇場) 尺には尺を/Measure for Measure終わりよければすべてよし/All's Well That Ends Well スケジュール出ていました! 【作】ウィリアム・シェイクスピア【翻訳】小田島雄志【演出】鵜山 仁 岡本健一 浦井健治 中嶋朋子 ソニン 立川三貴 吉村 直 木下浩之 那須佐代子 勝部演之 小長谷勝彦 下総源太朗 清原達之 藤木久美子 川辺邦弘 亀田佳明 永田江里 内藤裕志 www.nntt.jac.go.jp
今日は文化の日である。子供の頃、日本国憲法が公布された日と教えられたが、父親の子供の頃は、明治節といって明治天皇の誕生日を祝していたと聞いた。明治維新に興味を持っていた頃もあり、文化の日には明治天皇の誕生日ということが思い浮かぶ。 明治天皇(文春より) 明治は近代日本の黎明期であり、日清・日露戦争などいろいろな出来事があるが、私にとっては夏目漱石の存在が大きい。 夏目漱石については、中学に入り「吾輩は猫である」を皮切りに文庫本で出ているものはすべて読んできたが、半藤一利さんの「漱石先生ぞな、もし」など、漱石にかかわる本を読みだしてから、より好きになり興味を深めていった。漱石の俳句が好きになった…
先日旅行に行き、直島の突堤から砂浜に映る自分の影を写真に撮った。 砂浜に映る自分の影 直島には至る所にオブジェがあり、その時はオブジェの一つのような気分になっていたが、所詮普通の影に過ぎない。 昨日のリア王に引き続き、今日は影にまつわるマクベスの台詞(マクベス夫人が亡くなった後のもの)を紹介したい。もちろん小田島雄志さんの訳である。 明日、また明日、また明日と、時はこきざみな足どりで一日一日を歩み、ついには歴史の最期の一瞬にたどりつく。昨日という日はすべて愚かな人間が塵と化す死への道を照らしてきた。消えろ、消えろ、つかの間の燈火!人生は歩き回る影法師、あわれな役者だ、舞台の上で大げさにみえをき…
普段は自分の影など意識することはないが、散歩をしているとあまりにも自分の足が長くなっているので、喜び勇んで写真に撮ってみた。 足長の自分の影 もう少し経てばもっと足が長くなると思ったが、十数分もすると日と影の見分けがつかなくなり、儚くも影は消えてしまった。 そして、影に思いを巡らせているとシェイクスピアに意識が飛んで行った。 先ずは「リア王」である。娘に裏切られたリア王と道化の台詞がある。(一部のみ) リア王:だれでもいい、教えてくれ、わしは何者なのだ。道 化:リアの影法師だい。 私がシェイクスピアに一時期のめり込むきっかけを作った小田島雄志さんは、「この台詞を自分では書けないので、劇作家にな…
中野好夫(1903~1985) 清富に限る。中野好夫はしばしば喝破したものだった。 清貧を尊ぶことを、とかく日本人の美徳または美意識のように云うが、本心は富裕でありたい。だが富はとかく腐にも濁にも汚にも堕しやすい。濁富と化すくらいなら、しかたなく清貧でいようか、というわけだ。 中野好夫は英文学者として東京大学の名物教授だったが、評論家・翻訳家として我われ下じもには近しい。「清富」の一語にも見えるとおり、硬直した先入観をマサカリで断ち割るかのような、眼も覚める箴言を繰出されたかただった。 『シェイクスピアの面白さ』というエッセイ集がベストセラーになったことがある。西洋古典についての噺など、高尚読…
昨日の「シェークスピア全集」を何故買わなかったか無性に悔やまれます。状態が良くないと言っても、何故 3,000円を惜しんだかと。 古書も骨董 (食器) も一期一会、買い逃したら明日はないと懲りているはずなのに。。。 夜中にふとマクベスのセリフが思い出しました。 大好きな「消えろ消えろ」の場面です。 物語の終盤、城が包囲され、恐怖もなくなっていたマクベスに、夫人が亡くなったという知らせが届いた時のマクベスの名セリフですが、訳者によってどのように訳しているかが無性に知りたくなりました。 もちろん文章は、ネットで探せば手に入りますが、あの美しいブルーの表紙 ( 天地小口が金だったなあ ) をめくり、…