時は23世紀。あらゆるものが科学の力で合理的になり、人々は食事から仕事まで、何一つ不自由なく暮らすことができていた。科学化は文明だけではなく人類の身体をも合理化の対象としていた。その例として、どんなものをどれだけ食べても、年齢と身長から導き出された適性な健康体重・体型になるように消化される仕組みを生み出した。三食が高脂肪・高カロリーの者と、三食がエンドウ豆三粒の者のように、まったく異なる食生活であっても、二人の年齢と身長が同じであれば、同様の体重・体型になる。そのため、人々は食事によって引き起こされる病気などに悩まされることは無くなり、各々が好きなように食事をできるようになった。 しかし、いつ…