第1章|招かれざる訪問者 「山奥って聞いてたけど……ここまでとは」 ぬかるんだ地面に足を取られて、靴の底が湿った。 くねくねとした山道を越えた先にあったのは、霧に包まれた、古びたロッヂ。 ……静かすぎる。鳥の声もしない。 (無言で空を見上げる) 美琴。無口だけど、一番信頼できる親友。 この課外学習も、彼女がいたから参加した。 でも、ロッヂの入り口…… 開いてる。 「先生、先に来てるはずじゃなかった?」 (うなずく) 人の気配がない。だけど、湿った床に……何かが落ちてた。 スマホ。 画面が割れてるけど、電源はついてる。 ロックも……かかってない。 …… 写真フォルダ。最新の画像が、1枚。 ――そ…