「つまり、被験体は直感で方程式を解いているということなんだろう?」 「はい、大衆向けの説明としてはそれで十分かと」 休日を返上して何とかレポートを読み終えた私の理解は、どうやらやっと大衆レベルだったようだ。 「例として平方根の計算を考えてみましょう。つまり、ルートの計算です。の値を求められますか?」 「あー、ひとよひとよにひとみごろ、とか言うやつだな。いや、ひとなみにおごれや、だったか?」 「最初のものであっています。つまり、約1.41421356です。しかし、ここで問うているのはその求め方です」 「求め方か、分からないな」 「を求めよ、と言われたら、どのように求めますか」 分からないと言って…