第三十一話 待ってちゃダメダメむかえにいこう 四方の援軍の様子を「ゆめうつし」で確認したホタルは、最後の追い込みの指示を出す。 「援軍の数は、やはり北からが多い。その分アンヤからの攻撃も北方向が激しいな。西から北に戻った部隊に加えて、さらに西から四割を北へ送れ。空いた四割は南から補う。南は六割に縮小、様子を見る程度でも構わない」「はい! 各方面の補佐へ通達します!」 「どちらの方角がアンヤにとって危険なのか、アンヤ自身が気づいていらっしゃるようですわね」「『本体』が出てきた直後はまだ、『手当たり次第に攻撃している』感が強かったからな。私たちが作戦や陣形を適宜変えているように、アンヤも、経験を踏…